生活保護費を未処理 北勢福祉事務所職員 県が処分を検討

県は14日、北勢福祉事務所(四日市市)で勤務していた50代の男性課長補佐級職員が平成28年度から生活保護に関する申請の処理を怠り、一部を私費で支払う不適切な事務があったと発表した。これにより、生活保護を受給している八人の県民に対し、約12万円の未払いが発生。県は「不祥事が相次ぎ、申し訳なく思う。職員への厳正な処分を検討する」としている。

県によると、男性職員は生活保護を受給している三人から医療機関に向かうタクシー代など計約4万6千円の請求を受け付けたが、未処理のまま放置。六人の受給者が提出した収入に関する申告書も、生活保護費に反映させるための処理を怠った。

また、男性職員は入院中の受給者が使用したおむつの費用として、県内の医療機関から申請を受けた生活保護費についても、処理を怠っていた。今年2月から4月にかけて、三回にわたって計約15万6千円を、私費で医療機関に振り込んだという。

事務所が4月、医療機関から電話で問い合わせを受けて発覚。男性職員は当時の聞き取りに「覚えていない」と答えたが、その後も医療機関に私費で生活保護費を振り込んだ。二度目の聞き取りで事務処理の怠りを認め、ロッカーから未処理の書類が見つかった。

男性職員は平成28年4月から、この事務所で勤務。今年4月、別の地域機関に異動した。事務処理を怠った理由を「分からない業務があった」と説明。当初の聞き取りで未処理を認めなかった理由については「なかったことにしたかった」と話したという。

県では平成29年、雇用経済部の職員が障害者雇用に積極的な事業所を契約で優遇する事務処理を怠っていたことが発覚。昨年5月には、鈴鹿地域防災総合事務所の職員が修学資金の貸与決定を怠るなど、不適切な事務処理をしていたことが発覚した。

県は今年3月、有識者らの意見を踏まえて不適切な事務処理などの再発防止策をまとめ、全職員に周知していた。一方、北勢福祉事務所の男性職員は相次ぐ事務処理ミスが全庁的に発覚した後も、未処理の事務作業があることを報告していなかった。

鈴木英敬知事は14日のぶら下がり会見で「本当に情けない。大変申し訳なく遺憾に思う。全庁を挙げてコンプライアンス(法令順守)の対策に取り組むさなかで、私自身も責任を感じている。職員が一人で抱え込まず、支え合う組織にしたい」と述べた。