防災条例改正の考え 県、消防団の役割明記 県議会一般質問

県議会6月定例月会議は14日、平畑武(新政みえ、一期、鈴鹿市選出)、田中祐治(自民党県議団、二期、松阪市)、藤根正典(新政みえ、三期、熊野市・南牟婁郡)、舟橋裕幸(新政みえ、七期、津市)の四議員が一般質問した。県は制定から十年が経過した防災対策推進条例を改正する考えを示した。消防団に関する項目を追記し、防災で果たす役割を明記する方針。対応力強化や入団促進への支援も盛り込む。

■津波高、電柱に明記を

平畑武議員(新政みえ)

平畑議員は南海トラフ巨大地震に備えるため、想定される最大の津波高を電柱に記すよう提案。県当局は「標識による周知は注意喚起や避難行動に有効」とする一方で「地域住民の理解を得ながら進める必要がある」との考えも示した。

【津波対策】

平畑議員 観光などで来県した人にとって、災害時の危険性は分からない。想定される最大の津波高を電柱に表示するなど、目に見える形での対策が必要だと考える。県の考えは。

日沖防災対策部長 尾鷲市に海抜表示ポストがあるほか、桑名市では伊勢湾台風で浸水した高さの標識がある。県内では510カ所の電柱に海抜や避難所を表示している。注意喚起や避難行動の促進に有効だが、地域の実情を踏まえ、住民の理解を得て進める必要がある。先進事例の情報提供などで市町を支援したい。

【ふるさと納税】

平畑議員 全国には、ふるさと納税で堅実に努力している市町がある。県内にも他県に負けない地場産品があるが、懸命に努力してきたと言いがたい部分もある。県の支援は。

大西地域連携部長 各市町は返礼品の充実など、寄付額を伸ばす取り組みを強化している。サービスを返礼品にした例もある。県としては市町の自主性を重んじつつ、制度に関する情報を的確に提供し、制度に沿った対応を助言してきた。今後も制度が有効に活用されるよう、市町に寄り添った支援をしたい。

■福祉事業所工賃公表を

田中 祐治議員(自民党県議団)

障害者が働く福祉的就労事業所の工賃を事業所ごとに公表すべきと主張。大橋子ども・福祉部長は「作業内容が多岐にわたり、障害の程度などで出来高に個人差が大きい。工賃を一律に表示することは難しい側面がある」との見解を示した。

【福祉的就労事業所】

田中議員 障害者が福祉的就労事業所などの利用を希望する際、どこに相談したらいいか分からない。地域の身近なところで相談に乗り、ニーズに合わせて対応できるようにすべき。

大橋子ども・福祉部長 障害福祉サービスについては、計画相談支援事業所の相談支援専門員が課題や希望を聞き取り、ニーズに沿って利用計画を立てている。障害者やその家族の中には計画相談支援事業所の利用方法や相談先が分からない人もいるため、市町の一般窓口から計画相談支援につなげる仕組みやプロセスについて、周知に努める。

【みえ松阪マラソン】

田中議員 来年の12月20日に「みえ松阪マラソン」が松阪市で開催されることが決まった。開催に向けて、財政的支援を含めた知事の考えを聞きたい。

知事 フルマラソンが県内で16年ぶりに復活する運びとなり、大変うれしく思う。県としても実行委員会に参画する中で、できる限り支援したい。大会は三重とこわか国体・三重とこわか大会のPRにも寄与していただけるもの。松阪市からの要望も聞きながら、何をすべきか検討したい。

■公契約条例の制定要請

藤根正典議員(新政みえ)
労働者の賃金や雇用の安定などを落札決定に反映させる公契約条例の制定を要請。県当局は「建設産業活性化プランを進めることが条例の理念を達成する」として理解を求めたが、藤根議員は「条例とプランは重みが違う」と指摘した。

【子どもの貧困対策】

藤根議員 子どもたちが貧困の連鎖に閉ざされないよう、学習支援や居場所作りが特に重要。児童養護施設を退所したり、里親委託が解除されたりした子どもへの対応は。

大橋子ども福祉部長 施設出身の大学生との交流会や施設出身者を雇用する経営者に話してもらう場を設けたほか、施設や里親から独立した人を対象に自立支援資金の貸し付けも実施している。年齢制限で退所した人が生活の場を確保するための取り組みも始めた。今後も自立支援の充実に努めたい。

【公契約条例】

藤根議員 津市や四日市市を含め、全国で49の自治体が公契約条例を制定している。県は建設産業活性化プランを策定しているが、条例とは重みが違う。制定の考えは。

渡辺県土整備部長 他県の公契約条例は、適正な賃金の確保を求めている。県は適正な利潤や労働環境の改善に向けた建設産業活性化プランを進めることで、条例の理念を達成できると考えている。次期プランの策定に当たって建設業の団体と意見交換し、適正な賃金の確保に向けた取り組みを検討したい。

■消防団応援条例を提案

舟橋 裕幸 議員(新政みえ)

県防災対策推進条例の改正に合わせ、消防団に関する単独条例として「消防団応援条例」を制定することを提案。知事は「単独条例は考えていない」としつつ、消防団に必要な支援を条例改正案に盛り込むことを検討する考えを示した。

【県防災対策推進条例】

舟橋議員 4月1日時点で消防団員が過去最低になったと報告があった。県として抜本的な改革をしなければ消防団員の減少に歯止めがかからない。消防団応援条例を出すなどの姿勢が求められる。

知事 消防団は地域の安心・安全の確保に重要な役割を担っている。人口減少や少子高齢化の進展で団員数は減少し続け、高齢化も進んでいる。今後、「防災の日常化」の観点から県防災対策推進条例を改正したい。単独条例は考えていないが、消防団に必要な支援を条例改正案に盛り込むことを検討する。

【ラウンドアバウト】

舟橋議員 ラウンドアバウトが伊賀市で試行運用された。今後の方針は。

渡辺県土整備部長 ラウンドアバウト導入による効果としては、交差点への進入速度が遅くなり、交差点内で重大事故が発生する可能性が低くなるなど安全性の向上が期待できる。一方で、走行箇所を分かりやすくするなど交通円滑性の向上に向けた検討課題が明らかになった。新たな交差点設置や改良の必要が生じた場合、選択肢の一つとして導入の可能性を検討したい。