度会町議選 無投票から一転、異例の展開 三重

【度会郡】「もう私は届け出に行かない」。4日に告示された三重県の度会町議選(定数11)は、無投票阻止のため急きょ立候補した候補者が出る一方、選挙戦になることで立候補を断念しかけた候補者もいた異例の展開で始まった。

4日午後2時半ごろ、町選管に無所属新人・長谷川多一候補(70)から選挙戦への立候補を取りやめる連絡が入った。24年ぶりの無投票―。新たな候補の出現で選挙戦となる可能性もあったが、結局無投票は避けられない。関係者がそう考えた矢先の午後3時過ぎ、長谷川候補は役場に現われ、戸惑う選管職員に立候補を申し出た。

「選挙戦になり、人間関係を崩すのはどうなのか。『地元にしこりを残してはいけない』と親戚に言われ、一度は出馬を取りやめたが、無投票は良くないと思い直した」

長谷川候補は届け出後の取材に、改めて選挙に出馬する意思を固めた経緯を明かした。立候補の取りやめを選管に伝えた直後、支持者から「出るべき」と説得され、出馬断念を思いとどまったという。

急きょ立候補を決めた無所属新人・中西久博候補(68)の陣営によると、中西陣営も人づてに長谷川候補に出馬を促したという。

直前まで無投票が濃厚とされていた同町議選。今回で引退するある現職は「いずれにせよ町民が選挙で新たな議員を選ぶ機会ができたのは良かった。選ばれた議員には町の課題に真剣に取り組んでもらいたい」と話した。