伊勢市と日産自動車協定 災害時に電気自動車から供給 三重

【EVからの電気供給のデモンストレーションを行う鈴木市長と出席者ら=伊勢市黒瀬町のいせトピアで】

【伊勢】三重県伊勢市と日産自動車(横浜市)、三重日産自動車(津市)は29日、災害時の電気自動車(EV)からの電力供給に関する協定を結んだ。災害による停電発生時、日産と販売会社の三重日産は、店舗に配備しているEVを市指定避難所の生涯学習センターいせトピア(同市黒瀬町)に無償で貸し出し、避難者に電力を供給する。

日産は、EVの蓄電池を災害時の非常用電源として役立てる取り組みを全国で進めている。日産が同様の協定を自治体と結ぶのは全国4カ所目で、県内では初めて。協定により、風水害や地震などの災害時、市の要請を受けていせトピアにEVを向かわせ、施設に整備されている電力供給設備につないで、電気を使えるようにする。EV1台でほぼ1日分の電気を供給できるという。

いせトピアで開かれた協定締結式に、鈴木健一市長と日産の伊藤由紀夫常務執行役員、三重日産の岩井純朗社長が出席し、協定書を交わした。また同時に、和菓子の老舗「赤福」(同市)も、同社が保有するEVを災害時に無償貸与することで市と協定を結び、平居肇取締役社長補佐が調印。続いて、出席者らがEVからの電力供給のデモンストレーションを行った。

鈴木市長は「災害への備えとしてEVの活用法を検証し、体制を広げていくことを考えたい」と述べ、日産の伊藤常務執行役員は「EVは巨大な走る蓄電池。防災に役立つ価値を知ってもらいたい。協定により、災害が起きてからでなく、災害を予兆し迅速に支援体制を取る仕組みができたことに意義がある」と話した。