三重県が231億円追加補正 知事選後、過去2番目の規模

【6月補正予算案を発表する鈴木知事=三重県庁で】

三重県は29日、一般会計で231億2300万円を追加する6月補正予算案を発表した。知事選後の〝肉付け〟としては過去2番目の規模。国土強靱化を目指す国の事業を活用し、道路整備や河川改修などの公共工事に190億7100万円を計上した。鈴木英敬知事は記者会見で「知事選で多くの声が寄せられた白線の引き直しなど、県民に身近な維持や補修に注力した」と語った。6月3日の県議会本会議に提出する。

鈴木知事が知事選の政策集で掲げた施策を「骨格的予算」に追加した。これにより、本年度一般会計予算の総額は前年度当初比267億9900万円(3・8%)増の7236億800万円となった。

補正予算の8割を占める公共事業費は、災害時の緊急輸送路となる県道の整備や農業用ため池の耐震などに充てる。今回の補正により、本年度予算の公共事業費は2年連続で増加し、過去10年で最大となった。

このうち、消えかけた道路上の白線を引き直す作業に1億6千万円を充てる。本年度中に例年の2・5倍に当たる500キロ分の白線を引き直す予定。知事選で県民から寄せられた声を受けて対象を拡大した。

庁内業務の効率を高める新規事業を立ち上げる。AI(人工知能)やRPA(ロボティック・システム・オートメーション)など、最新技術を活用する予定。関連費用に5300万円を計上した。

具体的には、AIを活用した自動会話プログラムが外国人旅行者に観光案内をする事業に1500万円、自動で会議録を作成する事業に200万円を計上。RPAの実証実験にも800万円を充てる。

県が過疎地の新たな移動手段として普及を目指す「空飛ぶ車」は当初予算で実証実験の費用などに1千万円を計上していたが、補正予算でも関連するシンポジウムの開催経費などとして400万円を追加した。

歳入では、国庫支出金として83億2200万円を計上したほか、108億2500万円を起債。残りは貯金に当たる財政調整基金から74億2700万円を取り崩し、残高の見込みを27億円とした。

県が財政健全化の指標として独自に設けている「経常収支適正度」は99・8%で「令和元年度までに100%以下」と定めた目標を達成した。県債残高の年度末見込みも7683億円で目標内に収めた。

鈴木知事は記者会見で、補正予算について「県民の命と暮らしを守る取り組みを進め、未来を切り開く取り組みも果敢に挑戦した」と説明。補正予算のテーマに「新時代の三重、スタートと挑戦」と掲げた。

■主な新規事業■
<防 災>
◆(一部新)災害医療体制強化推進事業(2128万円)災害拠点病院の施設整備を補助する。災害時健康危機管理支援チームの人員を育成する。
◆(新)災害時学校支援事業(79万円)避難所の運営や学校の早期再開、心のケアなど、災害時の専門的知識を備えた教職員を育成する。
◆(新)森林情報基盤整備事業(1億1594万円)みえ森と緑の県民税を活用し、森林の把握などに有効な航空レーザー測量を実施する。

<福 祉>
◆(一部新)認知症地域生活安心サポート事業(626万円)全国若年認知症フォーラムを県内で開き、官民が連携して取り組む先進事例を調査する。
◆(一部新)不妊相談・治療支援事業(280万円)がん患者が妊娠をあきらめることのないよう、がんの治療前に実施する妊孕性温存治療を助成する。
◆(一部新)環境保全総務費(241万円)建設残土の搬入などを規制する土砂条例(仮称)を制定する。条例の周知や啓発も実施する。

<産 業>
◆(新)三重・タイ産業人材育成協力事業(611万円)バンコクの「三重タイイノベーションセンター」で県内企業と連携したセミナーを開く。
◆(新)東京オリ・パラを契機としたみえの食材イノベーション事業(419万円)ケータリング事業者などに県産食材の活用を呼び掛ける。
◆(一部新)地方バス路線維持確保事業(74万円)車を持たない高齢者の移動を支援するため、移動手段の確保に関する検討や啓発を実施する。