風力発電「是認できない」 津市長意見、署名運動受け 三重

【津】三重県津市は28日、経ケ峰の山頂付近で風力発電所の建設を計画する事業者の環境影響評価方法書に対する市長意見を公表した。景観への影響を懸念し「環境保全の見地から事業計画を是認できるものではない」との見解を示した。建設に反対する「経ケ峰を愛する会」から1万2670筆の署名が提出されたことを受け、反対意見を反映した形だ。市長意見を踏まえ、県が知事意見を作成する。

市長意見では、経ケ峰について「多くの小中学校で森林景観が校歌に詠み込まれるなど、市民にとって心に刻まれる風景となっている」と説明。「周囲から経ケ峰を望む眺望景観において、風車が経ケ峰の山稜線を分断する可能性がある」と懸念を示した。

その上で、地域住民からの意見などを踏まえ「経ケ峰の眺望景観に及ぼす重大な影響について、最大限の努力をもって原則回避すること」を事業者に要求。「影響を回避または十分低減できない場合は、事業計画の見直しを検討すること」を求めた。

その一方で「土地の有効活用が図られ将来にわたり周辺森林が維持管理されることに期待が持てること」など事業計画がもたらす良い影響にも言及。地元住民の声として「事業の実施を地域の維持発展の好機と捉え本事業に賛成する声がある」と紹介した。

市環境保全課によると、事業は「グリーンパワーインベストメント」(東京)が計画。高さ約145メートルの風力発電機24基を設置する予定で、1基当たりの出力は3千キロワット、総出力は最大7万2千キロワットになる見込み。市内にはすでに40基の風力発電機がある。

署名は17日に鈴木英敬知事と前葉泰幸市長に宛てて提出された。市によると、これまで市内の風力発電所の建設をめぐって署名運動が起こったことはなかった。「住民からの署名を重く受け止めないといけない」(同課)として、市長意見に反映したとみられる。