鳥羽志摩の海女、日本遺産に 国内最多人数、2000年の歴史 三重

【海に潜り、獲物を探す海女=平成22年9月撮影、鳥羽市で(市提供)】

文化庁は20日、地域の魅力を伝える有形、無形の文化財をストーリー仕立てで発信する日本遺産に、新たに21道府県の16件を追加した。三重県内からは鳥羽、志摩両市が申請した「海女(Ama)に出逢えるまち 鳥羽志摩~素潜り漁に生きる女性たち」が認定された。認定は斎宮(明和町)、忍者(伊賀市)に続き県内3例目。

文化庁によると、日本遺産は世界遺産登録や文化財指定と違い、保護を目的とせず、「日本遺産」という価値付けを行うことで地域振興につなげるのが狙い。平成27年度から始まり、総数は83件になった。広島県尾道市など、日本遺産を情報発信に活用し、外国人観光客が倍増した自治体もあるという。

鳥羽、志摩両市が海女漁を日本遺産に申請するのは平成30年度に続き、2回目。本年度は海女をより身近に感じてもらおうと「五感で感じる海女」を強調し、海女小屋や船に乗って漁場へ向かう姿などをストーリーに盛り込み、文化庁にアピールした。2千年の歴史や国内最多の約750人の海女がいることなども紹介している。

今後は両市などでつくる海女振興協議会が主体となり、情報発信などを行う。協議会は今夏をめどに事業計画をまとめる予定。現役海女を観光ガイドに育成する案などを検討している。素潜りの実体験を語ることで観光海女との差別化を図る方針。担当者は「生の声を聞く場はなかなかない」と話している。

協議会の会長代理を務める三重大人文学部の塚本明教授は「地域の価値が評価され、うれしい。海女の魅力がさらに広く深く正しく理解され、海女文化が存続・発展するよう取り組んでいきたい」とコメントした。
■評価され、うれしい ― 中村欣一郎鳥羽市長の話
海女文化が日本を代表する歴史文化の一つとして評価され、大変うれしく思う。ユネスコの無形文化遺産登録に向け、大きな追い風になるだろう。海女文化のストーリーを訪れた人に感じてもらえるよう、魅力的なまちづくりに取り組んでいきたい。

■後継者育成取り組む ― 竹内千尋志摩市長の話
認定を大変うれしく思う。今後は後継者の育成や海女文化の継承に取り組むと共に、ユネスコの世界遺産登録に向け、海外にも情報発信を行う。海女さんと触れ合い、その物語と共にアワビやサザエを味わうことができる志摩、鳥羽両市へ来てほしい。