障害者の自立する姿追う ドキュメンタリー映画「道草」 伊勢「新富座」25日から 三重

【ドキュメンタリー映画「道草」のポスターを手にする宍戸監督=伊勢市役所で】

【伊勢】重度の知的障害者が地域で自立して生活する姿を追ったドキュメンタリー映画「道草」が、25―31日に、三重県伊勢市曽祢の映画館「進富座」で上映される。宍戸大裕(だいすけ)監督(37)=宮城県=は「重い障害があっても自立生活する選択肢があることを知ってほしい。障害者が街で暮らす姿、それぞれの生き方やさまざまな背景を感じ取ってほしい」話す。

重度障害者の多くは、入所施設や病院、親元で暮らしているのが現状だ。宍戸監督によると、重度訪問介護制度を使って一人暮らしをする選択はあるが、実際に自立生活をする人はわずかという。映画では、制度を使って介護者と一緒に暮らす3人の男性が登場する。宍戸監督が平成28年から2年かけ、3人の日常をカメラで追い、介護者とのユーモラスなやりとりや試行錯誤の日々をありのままに描いた。平成28年に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件で重傷を負った一人、尾野一矢さんとその家族の今の姿も伝えている。

制作のきっかけは、映画に登場する一人の障害者の父親からの「息子のことを映像にしてくれないか」という提案だった。宍戸監督は撮影する中で「軽やかで楽しげな暮らしぶりに衝撃を受けた」と振り返る。「彼らはとにかくよく歩く。何か目的のためでなく、道草するように。一日一日を、生まれてきた命を全うするために生きる様を見てほしい」と話している。

上映は、午前10時半と午後2時からの一日2回。初日の25日午後2時の上映後、宍戸監督の舞台あいさつがある。

問い合わせは進富座=電話0596(28)2875=へ。