男性殺害で懲役17年求刑 妻の交際相手に 津地裁

三重県鈴鹿市で昨年5月、解体作業員横山麗輝さん=当時(25)=が首を絞められて殺害された事件で、妻で飲食店経営横山富士子被告(46)=殺人と暴行罪で起訴=の共犯者として同罪に問われた交際相手の無職上山真生被告(30)=同市住吉二丁目=の裁判員裁判は9日、津地裁(田中伸一裁判長)で論告求刑公判があり、検察側は「果たした役割は犯行に不可欠」として懲役17年を求刑した。判決は17日に言い渡される。

検察側は論告で、犯行前の富士子被告との携帯でのやり取りや、捜査段階での供述、富士子被告の証言などから「首を絞めたのは被告人」と指摘。被害結果が重く、一連の犯行に計画性があり態様も悪質であること、不倫相手である富士子被告を守りたいなどとする動機にくむべき点は少なく、犯行後の隠蔽工作も悪質とし、「実行行為は被告人。邪魔になった麗輝さんを2人で殺害した事案で富士子被告の指示はなく罪の重さは同じ」と主張した。

弁護側は最終弁論で、「富士子被告から麗輝さんに暴力的な言動で苦しめられたと聞かされて怒りを募らせ、不倫に気付いた麗輝さんからの報復を恐れて八方ふさがりに追い詰められた」と指摘。当初の供述内容は富士子被告をかばうためで、真実は富士子被告が首謀者で上山被告は補助的な役割だったとし、上山被告を実行犯とする富士子被告の証言には不自然な点が多く信用できないとして、「寛大な判決を」と求めた。

求刑前には上山被告の母親が情状証人として出廷。声を震わせて人柄を訴える姿に上山被告が嗚咽を漏らし、両手を覆う場面もあった。また麗輝さんの父親が意見陳述し、「いまだ手紙や直接の謝罪はなく互いに罪をなすりつけ合っている。決して許すことはできない。一日でも長く刑務所に入ってほしい」と訴えた。

最終意見陳述で証言台の前に立った上山被告は「麗輝の命を奪い、遺族や関係者を悲しませて心の底から後悔して反省している。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。

論告によると、上山被告は富士子被告と共謀して平成30年5月13日未明から早朝にかけて、同市稲生塩屋一丁目の麗輝さん方で麗輝さんの首を絞めるなど暴行を加えたうえ、同市道伯町のスナック店舗内で、殺意を持って麗輝さんの首を延長コードで絞めつけ、頸部圧迫による窒息死で殺害した。