松阪 新緑の宮ノ谷渓谷、安全に 台風被害から復旧、ハイキングコース全面改修 三重

【絶壁を通り抜ける「回廊橋」】

【松阪】昨年の台風で被害を受けた松阪市飯高町蓮の「宮ノ谷渓谷」ハイキングコースを復旧する工事が完了し、同市はこのほど、報道関係者らを対象にトレッキング(山歩き)を開催した。土砂崩れで転落した橋を撤去して回り道を整備するなど962万円かけた。新緑に包まれた渓谷美を安全に楽しめる。

同コースは櫛田川、宮川、吉野川の源に位置する池木屋(いけごや)山(1395メートル)を目指す登山道の一部。コース最終地点の高滝まで深いV字谷が続き、渓流沿いに距離約2キロ、高低差約200メートルある。

急傾斜には鉄製の階段、谷には橋、絶壁には回廊橋を設け歩きやすく、新緑と紅葉の季節を中心に人気がある。

しかし、橋や階段が落石で痛むとともに老朽化し、昨年の台風被害をきっかけに全面改修した。登山道を4カ所で整備し、階段と橋を5カ所で修理。登山用の鎖を3カ所に取り付けた。先月26日に県道蓮峡線の通行止めを一部解除し、拡幅した登山口駐車場まで車で行けるようにした。

一行は飯高山岳会の柳谷一夫会長(77)=同市飯高町森=の先導で出発。「滑りやすい靴や、1名だけでの登山は、危険ですのでおやめ下さい」と呼び掛ける登山口案内図を通り過ぎる。奇岩が続く。

がけ崩れで橋が落ちた場所には「通行止 沢沿いを進む 増水時注意」の標識がかかる。谷川へ降りると、川の流れの端に岩を並べた迂回(うかい)路ができていた。

絶壁に取り付けた回廊橋を渡ると、修繕した休憩小屋や同山岳会などが建てた「岳魂碑」が現れる。碑には「昭和47年4月14日午後2時20分、48総体50国体登山コース踏査中 高滝付近に於て突然に襲った土砂の直撃を全身にうけ31才前途有為な中村卓三君こゝに生涯を終ゆ」と刻まれ、柳谷会長が線香を手向ける。

そこから間もなく、鎖が付いた大岩を登ると、正面に落差約60メートルの高滝が姿を見せ、疲れを癒やす。1時間20分ほどで着いた。

ハイキングコースはここまで。先に進むと、高滝とその上の猫滝の横を急登する滑落死亡事故の多発箇所が控える。ドッサリ滝を過ぎると谷を離れて尾根を登り、ブナ林に囲まれた池木屋山に到る。山頂ヘはさらに3時間余りかかる。

柳谷会長は「歩きよくなった。連休にはシロヤシオが咲く」と話す。

櫛田川流域の香肌峡で自然体験を楽しむNPO「ⅰ sⅰerra」(同市飯高町下滝野)の太田覚理事長は今月31日まで実施する「宮ノ谷渓谷トレッキング 渓流に沿って滝めぐり 3時間半」をPRした。定員2―8人で1人3800円。申し込みは同社ホームページから。