朝日町長に矢野氏初当選 新人三つどもえ制す 三重

【当選を決めて支援者らと万歳する矢野氏(左から2人目)ら=朝日町柿で】

【三重郡】任期満了(町長=6月4日、町議=4月29日)に伴う三重県の朝日町長選と同町議選は21日投開票され、町長選は、元会社役員の矢野純男氏(68)=柿=が、元町議の池田耕治氏(52)=柿=、元銀行員の川﨑泰弘氏(61)=縄生=を破り、初当選を果たした。

当日有権者数は8004人(男3927人、女4077人)で、投票率は平成27年(65・02%)に比べて4・19ポイント減の60・83%だった。

矢野氏は午後9時50分ごろ、同町柿の選挙事務所で当選の報を受け、支持者らと握手を交わして万歳。「12人の仲間で始まった選挙戦で、民間感覚の町政、町民目線での行政サービスをしたいと訴え、協力、努力、行動、全ての結果が2258人という数字になり、有り難い。選んで良かったと思ってもらえるように、仕事に就く6月5日に向けて準備し、全身全霊で取り組みたい」と決意を語った。

中学校給食、高齢者の生活支援、災害対策と役場新庁舎建設問題などが主な争点となった。矢野氏は親子方式による中学校給食の即時実現と経営者としての実績や現地現物、率先垂範で取り組む姿勢を訴えたことで、得票につながった。

池田氏はつなぎ給食導入による中学校給食の実現、高齢者向け生活支援バス運行、52歳の若さなどを訴え、川﨑氏は町長の年間報酬削減、スポーツと文化の振興、銀行員としての経験を生かして課題改善に取り組むことなどを訴えたが、及ばなかった。
■解説 ― 経営者の実績評価■
新人3人の争いになった朝日町長選は、矢野氏が制した。中学校給食即時実現と経営者としての実績、現地現物、率先垂範で取り組む姿勢が評価されての結果と言える。

矢野氏は選挙戦で、誰もが「住みよい」、「自慢できる」、「元気な」朝日町にすると強調。親子方式による中学校給食の即時実現、地震・津波・台風等に対する防災・減災への取り組み強化、民間発想による利用者の立場に立った窓口サービスの実施などを訴えたことで、町民の理解を得たとみられる。

同町は町域面積が狭小で小さな自治体だが、人口増の町であるという特徴があり、人口が伸びているうちに次の時代の準備をする必要がある。高齢化と空き家が出始めた旧市街地と、今は子どもが多い新興住宅地では、課題や街のあり方が違うが、国全体が人口減少する中、今後も住みやすい町であるには、『広い範囲で処理した方が効率的なこと』は広域連合で、『狭い範囲で処理した方が効果的なこと』は地域自治組織を町全体で作って進める必要がある。

低地に立地し築50年を超える町役場庁舎の移転先が議論されずに先延ばしされている問題など、他にも町の課題は山積しており、矢野氏の実行力が問われる。