2019年4月22日(月)

▼県議選の総括で、統一地方選のではないからということだろう。地域政党「三重民主連合」の中川正春会長の総括会見が統一地方選後半の投開票日前日であること、知事選挙について何も触れないことにとやかく言われる筋合いはあるまい

▼「新人の取りこぼしは残念だったが、基本的に健闘した」。健闘は「よくがんばってたたかうこと。屈せずに努力すること」(広辞苑)である。「強敵を相手に」の含みがある。最大会派だった旧民進系の新政みえが数を減らしたのに使う言葉として適切かどうかは、見方が分かれよう

▼「新人の取りこぼし」が「残念」には違いない。が、労働組合など、組織内で継承された候補以外だったことに、もう少し緻密な分析が聞きたかった。知事選は新政みえや連合と一体になる「三重方式」の構図が崩れた。影響はなかったか、である。「新政みえと三重民主連合が一つになって戦った」とも。いつもの「連合」の名が抜けていたのはたまたまか

▼平成7年の県議選は、絶対多数だった自民党の新人が全滅した。最大会派は維持したものの、常任委員長ポストを全部取得すれば過半数を割る委員会ができ、議会運営の責任会派の立場が揺らいだ。「自民王国」とされた県の政治構図が変わる前兆でもあった

▼「民進王国」の行方はいかに。「健闘」の言葉は、気持ちですでにその地位を降りていないか。平成7年は国政で戦い、地方で手を組む姿は有権者の理解を得られないという岡田克也衆議員の一言で無風から一転、激戦になった知事選の年。あそこから旧民進系の躍進が始まった。