両陛下、笑顔で帰京 在位中最後の地方訪問 沿道の市民に手を振り 三重

【鈴木知事(手前右)の見送りに笑顔で応えられる天皇、皇后両陛下=志摩市阿児町神明で】

伊勢神宮に退位を報告・参拝するため来県していた天皇、皇后両陛下は19日、在位中最後の地方訪問を終えて帰京された。三重県志摩市の宿泊先から近鉄賢島駅に到着した両陛下は、沿道に集まった市民からの呼び掛けに応じて何度も振り返り、笑顔で手を振り続けた。

両陛下は午前10時ごろ、宿泊先の志摩観光ホテルを車で出発した。賢島駅で車を降りると、駅前に集まった1000人を超える人々が「ありがとうございました」と声を掛け、日の丸の小旗を振った。

両陛下は沿道に手を振りながらホームまで進んだ。鈴木英敬知事や前田剛志県議会議長、難波健太県警本部長らの見送りを受け、臨時特別列車の「観光特急しまかぜ」で出発。午後3時ごろ、皇居に到着した。

ホテルの出発前には、鈴木知事から県内の情勢について報告を受けた。鈴木知事は県内に多くの観光客が訪れていることや、2年後に三重とこわか国体・とこわか大会の開催を控えていることを説明した。

天皇陛下は県に多くの人が訪れる理由や食の魅力を尋ねた。鈴木知事が県の名産として挙げた松阪牛についても高い評価を受けている理由を尋ね、熱心に鈴木知事の説明を聞いていたという。

また、鈴木知事が昭和50年の三重国体で来県した両陛下が今回と同じ志摩観光ホテルに宿泊したことを紹介すると、天皇陛下は「そうだね。ここに泊まったんだね」と振り返っていたという。

皇后さまは内宮周辺で催された提灯(ちょうちん)行列に感謝し、長女の黒田清子さんが祭主を務める伊勢神宮の観光客が増えていることに「清子が祭主を務めているときに多くの方が来られてありがたい」と話したという。

両陛下は今月末での退位を伊勢神宮に報告する「神宮に親謁の儀」に臨むため、17日に来県した。18日は外宮、内宮の順に参拝。歴代天皇が受け継ぐ「三種の神器」のうち剣と璽を皇居から持参する、戦後の地方訪問ではまれな形となった。