両陛下、退位報告に神宮参拝 内宮と外宮で「親謁の儀」 三重

【退位報告のための外宮参拝を終えられた天皇陛下=伊勢市の伊勢神宮外宮板垣南御門前で】

三重県内を訪れている天皇、皇后両陛下は18日、今月末での退位を報告するため伊勢神宮の内宮と外宮を参拝された。「神宮に親謁の儀」と呼ばれる退位に関連した儀式の一つ。両陛下は17日に続き、沿道に集まった大勢の人に手を振って応えた。

両陛下は午前10時ごろ、御料車で宿泊先を出発。外宮と内宮では、モーニング姿の天皇陛下が「三種の神器」の剣と璽を持った侍従を前後に正殿まで歩いて進み、玉串をささげて拝礼した。

陛下に続き、皇后さまも白いロングドレス姿で拝礼した。儀式には両陛下の長女で伊勢神宮の祭主を務めている黒田清子さんが立ち会った。両陛下の玉串は黒田さんを通じて供えられたという。

両陛下は参拝の後、伊勢市の近鉄宇治山田駅から「観光特急しまかぜ」に乗って志摩市の賢島駅に移動。市内のホテルに宿泊した。この日が誕生日だった黒田さんらと夕食を共にしたという。

両陛下の神宮参拝は即位後5回目で、式年遷宮後の平成26年3月以来、約5年ぶり。19日は午前中に宿泊先を出発し、名古屋駅を経て新幹線で帰京する。今回が在位中で最後の地方訪問となる。

■記者席 ― 両陛下の仲むつまじい姿■
○…天皇、皇后両陛下が参拝された伊勢神宮への立ち入りを許された記者らは、報道陣に公開される予定のなかった場面に遭遇した。皇后さまが外宮で参拝を終えて外宮の行在所に戻ったときのことだ。

○…先に参拝を終えていた天皇陛下が、行在所の階段を下りて皇后さまを出迎えていたのだ。御料車から降りた皇后さまの腕を支えて寄り添い、少し高さのある木製の階段を一段ずつ、2人で慎重に上った。

○…取材や撮影は場所とタイミングが細かく取り決められている。この場面も報道陣への公開は想定されていなかったようだが、参道を歩いてバスに向かった一部の記者が偶然にも目にすることができた。

○…両陛下の仲むつまじい姿とともに、結婚から60年間にわたって支え合ってきたことが垣間見えた。退位の後も変わらず、互いに寄り添って歩んでいくのだろうと、周囲に確信させる瞬間でもあった。