三重県 鈴木英敬知事が3選 2期目の実績を評価

【花束を手に当選を喜ぶ鈴木英敬氏=津市岩田で】

統一地方選の三重県知事選と県議選は7日、投開票された。知事選は現職の鈴木英敬氏(44)=自民、公明推薦=が、新人で元玉城町議の鈴木加奈子氏(79)=共産推薦=との一騎打ちを制し、3度目の当選を果たした。

平成に入って就任した知事としては、最多の当選回数。旧民進党系の議員らでつくる三重民主連合は候補者の擁立や推薦を見送ったことなどから、1期目の鈴木県政に対する評価が争点となった。

鈴木英敬氏は前回選挙と同じく自民、公明の推薦に加え、旧民進党系の新政みえや連合三重などからも推薦を受ける万全の態勢で臨んだ。街頭演説や個人演説会を重ねる地道な活動で、支持拡大に奔走した。

選挙戦では、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の県内開催をはじめとする1期目の実績を強調。災害や児童虐待の対策を掲げて「県民の命や安全安心を守る」と訴え、幅広い層からの支持を受けた。

鈴木加奈子氏は、共産党などで構成する「県民本位のやさしい三重県政をつくる会」が擁立。「大企業優遇の県政から県民の暮らしを優先する県政に転換する」とし、医療費の窓口無料化拡大などを掲げた。

鈴木英敬氏との対立を鮮明に打ち出した選挙戦を展開。「鈴木県政は安倍政権言いなり」「伊勢志摩サミットは県財政を圧迫した」と訴えるなど批判票の取り込みを狙ったが、及ばなかった。
■解説 ― 信頼回復の手腕問われる■
圧倒的な知名度に加え、1200を超える企業・団体から推薦を得る情勢を見れば、鈴木英敬氏の勝利は歴然だろう。陣営からも早々に「単なる勝利ではなく、圧勝できるか」と余裕の言葉が漏れた。

有権者の反応が、その人気ぶりを物語った。各地で「えいけいさーん」の掛け声が相次ぎ、信号を待つ街宣車に駆け寄る県民も。支持者らが集まる演説会場より、むしろ街頭の方が際立った印象だった。

ただ、鈴木氏自身は余裕の表情など一切見せず、くまなく走り回った。「一人でも多くの支持を得たい」という自らの思いに突き動かされていたことには違いないが、背景にあるのは「オール三重」だろう。

かねてから鈴木氏が多用してきた言葉だ。県民と一体となって進める意で、伊勢志摩サミットや菓子博、インターハイが、その代表格。国体の県内開催を控える3期目も「オール三重」は欠かせないのだろう。

一方で「オール三重」が解決に結びつかない課題こそ、手腕が問われる。相次ぐ不祥事や深刻な県財政といった〝足元〟だ。皮肉にも、選挙期間中に教員の懲戒免職や個人情報の漏えいが発表された。

選挙活動で「絵空事や耳触りの良いことを言っているだけでは、知事の仕事はできない」と訴え続けてきた鈴木氏。財政健全化や不祥事根絶に向けた対策が「絵空事」にならぬことを願う。