<三重県知事選 政策集を比較・中>

任期満了(4月20日)に伴う三重県知事選で、新人の鈴木加奈子候補(79)=共産推薦=と現職の鈴木英敬候補(44)=自民、公明推薦=(届け出順)が発表した政策集。「防災」の分野では堤防の整備などで共通する部分も見てとれるが、鈴木加奈子候補は原発の再稼働中止を強調。鈴木英敬候補は災害対応の人材育成などソフト面の記載が目立つ。「福祉」では医療費の無料化を全面に押し出す鈴木加奈子候補に対し、鈴木英敬候補は保育士の離職防止や妊娠出産への支援を訴える。
◆津波対策急ぐ、認可保育園増やす ― 鈴木加奈子候補◆
■防災
「堤防や津波避難施設の整備を急ぎ、住民の命を守る」と記した。現行は最大で300万円とされる住宅再建の助成金を最大で500万円に引き上げ、対象範囲も拡大するとうたう。学校は「防災の拠点」として「安易な統廃合は中止する」と掲げた。

防災の項目に原発の対策も盛り込む。浜岡原発(静岡県)は「南海トラフ巨大地震の真上にある」として再稼働中止を訴え、高レベル放射性廃棄物の受け入れ拒否や芦浜原発旧建設予定地の買い取りを掲げる。大規模な風力発電や太陽光発電の規制も明記した。

■福祉
県民に向けられる社会福祉関係の費用が「軒並み低い」と批判。認可保育園を増やして待機児童をなくすと訴える。保育園と幼稚園は給食費を含めて完全無料とし、子どもの貧困解消に向けて子ども食堂や学習支援への補助制度も導入すると記載した。

中学卒業まで医療費を窓口無料化をとするほか、障害者や一人親家庭にも対象範囲を広げると明記。小中学校は全て「30人学級」とし、県教委の要綱では25人と定める1学級当たりの下限を撤廃すると掲げる。国保料は「1万円の引き下げ」を主張する。
◆県土強靭化、保育士の処遇を改善 ― 鈴木英敬候補◆
■防災
政策集では、防災減災対策に深く言及。ソフト・ハードの両面で対策の加速を訴える。「大規模災害時の被害軽減と県土強靱化」と銘打ち、海岸の整備や河道掘削、ダム建設などを進めると強調。停電時に備えて信号機に電源付加装置を付けると掲げた。

ソフト面では、県職員に災害対応力を身に付けさせるための「防災人材育成指針(仮称)」を策定すると明記。兵庫県教委の事例を参考に、災害対応などの専門的な知識を身に付けた教職員チーム「三重県版EARTH(仮称)」を設けることも掲げた。

■福祉
保育園の待機児童ゼロを目指し、保育士の処遇改善や早期離職の防止を図ると主張。保育に直接は関わらない保育支援員を導入する施設を支援し、保育士の負担を軽減すると明記。昨年5月時点で74人だった県内の放課後児童クラブ待機者をなくすと訴える。

妊娠や出産の支援にも多くを割いた。「不妊治療のために離職するケースが増加している」とした上で「不妊治療と仕事の両立を応援する企業への支援を検討する」と明記。出会いの支援や部下の子育てを支援する「イクボス」の推進も掲げている。