白山、甲子園までの軌跡 ノンフィクション「下克上球児」刊行 三重

【白山高校の甲子園出場までの軌跡が描かれた「下剋上球児」】

三重県立白山高校 (津市白山町南家城)が甲子園に出場するまでを描いたノンフィクション「下剋上球児」がこのほど、カンゼン(東京都千代田区外神田)から刊行された。著者は、野球に関する著書を多数執筆している菊地高弘氏。

白山高校は昨年の第100回高校野球選手権記念三重大会でノーシードから優勝し、初の甲子園出場を決めた。その快進撃ぶりと優勝後辻宏樹主将が語った「日本一の下剋上」のキャッチフレーズが報じられると、大きな話題となった。

チームを率いた東拓司監督は平成25年に同校に赴任するが、当時グラウンドには雑草が生い茂っているなど環境も部員も揃っていなかった。そこでグラウンド整備などから始め、先輩指導者に教えを請いながら、年間150試合以上の練習試合を組むなど独自の練習方法を実践する一方、地元の中学生を勧誘するなど強化。さらに退部を申し出た主力選手に正面から向き合って説得し、チームを一つにまとめあげていった。

同著は、東監督が同校に就任してから悪戦苦闘しながらも甲子園出場に導くまでを紹介。また菊地氏は同校だけでなく他校の選手や監督など30人以上に取材を重ねており、選手の人となりや息詰まる熱戦と試合中の選手や監督の心理描写を細かく描いている。

菊地氏は「10年連続地方大会初戦敗退という弱小校がわずか2年で優勝したことを知りがぜん興味がわいた。取材を進めていくとファーストの選手が軟式用のミットで大会に出場するなど驚かされることが多く、いつしかこの物語を多くの読者に届けたいと思うようになった」と執筆理由を語った。

「自己肯定感が低い学生らが強豪校を次々に破って甲子園まで駆け上がっていく。この本には夢を抱いたことのある人なら誰もが共感できる希望が詰まっている」とし、「甲子園出場は自信が持てなかった学生を変えるだけでなく、過疎に悩む地域をも変える可能性がある、そのロマンを感じてもらえたら幸い」としている。

四六判256ページ、本体価格1500円。県内の書店やAmazonなどで購入できる。