<三重県議選・激戦区を行く>尾鷲市・北牟婁郡選挙区 初の女性候補が登場、8年ぶり選挙戦

今回の県議選では、県内17選挙区に出馬する女性候補が前回と比べて五人増の12人となる見込み。女性議員の数にも注目が集まる。八年ぶりの選挙選を迎える尾鷲市・北牟婁郡選挙区でも初の女性新人候補が登場し、現職候補を脅かす存在となっている。

平成23年の県議選以来、二議席を自民の東と旧民進系の津村が分け合ってきた。今回も当初は同じ顔ぶれのように見えたが、年明けに石川が名乗りを上げ、さらに奥村が参戦した。

石川は昨年4月に地元に戻ってきたばかりで影響力は未知数だが、現職二人は「女性で多彩な経歴もあるから怖い」「票を奪われているのでは」などと焦りを隠さない。地元の祭りに顔を出すなど、議席を守るために必死だ。

父が旧紀伊長島町議だった石川は、大手人材紹介会社を経てキャリアコンサルタントとして独立。故郷とはいえ、中学から進学のために町外へ出ているため、他の候補に比べてつながりの少なさが懸念材料だ。ポスターで「尾鷲・紀北に女性の力を」と呼び掛けるなど強みを全面に押し出す。

石川の影響を受けるのが東。初めて出馬した23年の県議選で獲得した票の四分の三は、出身の紀北町が占めた。石川も同町出身で、かつ東の遠縁といい、町内で得ていた票が一定程度石川に流れるのは避けられない情勢だ。保守の強い地域であることを追い風に票を固める。

八年前にトップ当選した津村も、あぐらをかいてはいられない。紀北町を地盤とする他の三人が、津村の票の中心を占める尾鷲市に侵食。津村は「一番身ぐるみを剝がされているように感じる」と危機感をあらわに。紀北町で票の伸びが期待できない分、尾鷲市内での拡大が必須だ。

一方、奥村は独自の路線を行く。町議時代の経験からあえて戸別訪問をしていない。昨年の町議選では落選に終わったが、他陣営は「千票くらい獲得するのではないか」とみる。紀北町議時代に建設残土の問題に取り組んできた実績をアピールし、支援の輪を広げる。

とはいえ、新人二人が立候補を表明したのは年明け以降で、出遅れ感は否めない。それでも石川は「私が踏み込んでいける領域はある」と強気な姿勢を崩していない。奥村も専門の担当者を雇うなどチラシ・ポスター配布に注力し、知名度向上を図る。

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石川 美紀50無新
奥村 武生76無新
津村  衛44新現③
東   豊63自現②