違法行為に処分厳格化、過去の不祥事やミスも掲載 三重県、議会に再発防止策公表

【再発防止策の報告を受ける総務地域連携常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は8日、総務地域連携、防災県土整備企業、教育警察の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。県は総務地域連携常任委で、相次ぐ不祥事や事務処理ミスを受けて策定した再発防止策を公表した。違法行為に対する処分の厳格化を掲げたほか、過去に発生した不祥事やミスを原因や対策と合わせて具体的に掲載した。今月中に開く幹部会議の承認を経て正式に採用される。

 〈総務地域連携=服部富男委員長(八人)〉再発防止策は「不適切な事務処理および不祥事の再発防止に向けて」と題した33ページの冊子。対策の目的を「県民の信頼確保」と定め、職員の意識改革や能力向上、風土の改善などを進めると明記した。
 【再発防止策】課長級職員らでつくる「コンプライアンス推進会議」が、昨年10月から十回にわたる会合を開いて策定。策定に当たっては、コンプライアンス懇話会で有識者から寄せられた意見を踏まえた。データで全職員に配布する。
 外部視点の導入▽全庁的な推進体制の強化▽職員一人一人の意識向上▽事務処理能力の向上▽的確な業務の徹底▽組織の仕組みや体制の見直し―の六点を再発防止策の柱に掲げた。具体的な問題意識や対策は、不祥事と事務処理ミスに分けて明記した。
 三谷哲央委員(新政みえ、六期、桑名市・桑名郡選出)は「人間がするミスは、なかなかゼロにはならない」と指摘。総務部の日沖正人副部長は「ゼロを目指していることには間違いない。対策を検証しながら、半期ごとに状況を報告したい」と説明した。
 服部委員長(自民党県議団、四期、三重郡)は「県民にとって残念な不祥事が起きている。しっかりと対策に取り組み、今後は不祥事のないよう努力をしてほしい。これは委員らの総意だと受け止めてほしい」と要望した。
 〈教育警察=木津直樹委員長(八人)〉障害者の雇用率を水増ししていた問題や教職員による相次ぐ不祥事を受け、県教委は対応策を示した。委員からは、職場内で障害のある職員を支援するサポーター職員の知識向上を求める声が上がった。
 【障害者雇用】県教委は、障害のある職員が職場に定着できるよう、サポーターとなる職員の設定や外部専門機関から助言を受ける仕組みなど相談体制を整備する考えを示した。
 杉本熊野委員(新政みえ、三期、津市選出)は「サポーターはどんな人を想定しているのか」と質問。県教委の担当者は「学校内で一番身近な職員がサポーターとなる」「サポーターに必要な知識が学べるようフォローする」と説明した。
 杉本委員は「もう少しいろいろな状況を検討し、サポート体制を検討してほしい」と注文を付けた。
 【不祥事根絶】県教委は本年度に教職員によるわいせつ行為や飲酒運転など不祥事が相次いだため、対応策をとりまとめたと報告。対応策として児童生徒と無料通話アプリで個人的な連絡はしないことや懇親会の参加者同士で帰宅方法を確認し合うことなどを挙げた。
 また、県立学校長による出張旅費の不正受給が発生した問題では、校長自身が命令・決裁するようになっていたことが原因だったと説明。不正受給を防ぐため、校長の出張旅費は各校の事務長が確認するようにした。

 〈防災県土整備企業=小島智子委員長(八人)〉県土整備部は建設業界での長時間労働の是正や労災事故の防止を推進する「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する三重県計画」の最終案を示した。計画の素案に対して意見公募したものの、市民や関係団体から意見が全くないまま最終案を策定した。
 【建設業】県は労災事故対策や適切な工期の設定を建設業界で推進するため、県建設産業団体連合会や三重労働局などでつくる推進会議で県計画案を策定した。
 昨年12月25日―今年1月28日まで県ホームページ(HP)に計画の素案を掲載するなどして意見を募集。関係団体にも書面で意見を求めたが、回答はなかった。2月の推進会議で最終案が了承された。
 県計画は建設業界や市町に書面などで周知し、県HPに掲載。来年度以降は年一回、推進会議を開き、計画の推進状況を確認する。
 【重要物流道路】県は物流の効率化を図るため、通行許可の手続きが不要となる区間を国土交通省が指定する「重要物流道路」を3月末までに公表すると説明。今夏ごろの公表が予定されたが、すでに利用されている道路は公表時期が半年前倒しとなる。
 県は高速道路や主要な港湾につながる県道が指定されると想定。新名神高速道路や東海環状自動車道、国道23号などを候補に挙げた。指定されれば、一部区間をコンテナ車が許可なしに通行できるようになる。