三重県議会常任委 「米軍基地・沖縄負担軽減」請願 1票差「採択すべき」

【紛糾の末に「採択すべき」と決した戦略企画雇用経済常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は7日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。戦略企画雇用経済常任委では、全国知事会が全会一致でとりまとめた「米軍基地負担に関する提言」の実現を求める請願を審査。「米軍基地は沖縄だけの問題ではない」とする請願の賛成派に対し、反対派は「全国議長会で議論すべき」と主張するなど紛糾。最終的には賛成4、反対3の1票差で「採択すべき」とした。この請願を踏まえた意見書案を15日の本会議で採決する。

◆議論は賛否で紛糾 ― 〈戦略企画雇用経済=芳野正英委員長(8人)〉

請願は、市民団体「沖縄の米軍基地負担を考える三重県民会議」が2月14日に提出。基地負担の軽減などを求めた。常任委の議論は賛否で平行線をたどり、1票差で「採択すべき」と決した。

【請願】
提言は昨年7月、全国知事会が全会一致でとりまとめた。日米地位協定を抜本的に見直し、米軍に国内法を適用させるよう要請。市民団体の請願は、この提言に書かれた内容を国会や政府に実現させるよう、県議会に求めている。

常任委では、田中祐治副委員長(自民党県議団、1期、松阪市)が請願について「内容としては、ほぼ賛同できる」とする一方で「全国知事会の提言を追認するような文言とも受け止められる。県議会は全国知事会の追認機関ではない」などとして反対した。

これに対し、稲森稔尚委員(草の根運動いが、1期、伊賀市)は「どの当たりが追認なのか。反対なら自民党県議団のプランを示してほしい」と要請。田中副委員長は「請願の件名は県議会が追認する印象。全国議長会で議論すべきこと」と述べた。

両氏は質疑応答を繰り返すも平行線をたどった。請願に賛成する別の委員らも「請願の趣旨に賛同するなら賛成するのが当たり前では」と参戦。反対の委員らも「政府も日米地位協定の運用改善を進めている。あらためて出すのはいかがか」などと指摘した。

請願の後に採決された意見書案も、賛成4、反対3で可決。本会議で可決されれば、議長名で衆参両院議長や安倍晋三首相に提出する。議会事務局によると、同様の意見書は昨年12月時点で、奈良や和歌山など少なくとも7道県が可決している。

◆一志病院の経費負担、県と津市で溝 ― 〈医療保健子ども福祉病院=野口正委員長(7人)〉

県は県立一志病院を中心とした医療・介護体制について津市と協議するワーキンググループ(WG)で、12項目のうち6項目で合意に至ったものの、経費負担の考え方が県と市で異なり「溝が大きく埋められなかった」と説明した。

【県立一志病院】
県と津市の課長補佐級職員ら8人でつくるWGを昨年4月から今年2月末までに16回開き、院内で訪問看護ステーションと病児・病後児保育を平成32年度に開設することなど6項目で合意したと報告した。

今回合意した事業で必要な経費を県は市に追加で負担するよう求めたが、市はこれまでの事業費を減額して事業費を置き換えたい考え。経費負担の考え方で課題を残した。

同院は平成28年度以降、訪問診療や軽傷救急患者の受け入れなど周辺地域の在宅療養を支援。市は毎年、約3200万円の契約費を支払っていた。

【社会的養育推進計画】
県は平成26年度に策定した「県家庭的養護推進計画」を見直し、新たに「県社会的養育推進計画(仮称)」を策定すると説明。里親委託の推進だけでなく、子どもの権利擁護や児童相談所の体制強化などを盛り込む。

計画期間は2020―2029年度の10年間。学識経験者などでつくる策定検討会議を今月にも立ち上げ、12月までに中間案を示す。

◆県総合博物館、平日の会館2時間短縮へ ― 〈環境生活農林水産=藤田宜三委員長(8人)〉

県は10月以降、県総合博物館(津市)の平日の開館時間を2時間短縮し、午前9時―午後5時までに変更する考えを明らかにした。職員が浮いた時間を調査研究や資料の収集に充てるため。条例改正案を6月定例月会議に提出する見通し。

【県総合博物館】
県総合博物館は午前9時から午後7時まで開館。県は開館時間を短縮した場合の影響を検証するため、昨年11月―今年2月に平日の開館時間を試験的に2時間短縮した。

時間外勤務が前年と比べて238時間減少し、維持管理費を約70万円節減したと委員らに報告。利用者約500人にアンケート調査した結果を踏まえ、開館時間を午後5時までにしても「利用者にほとんど支障がない」と判断した。

開館5周年を記念した特別展を7―9月に実施するため、開館時間の見直しは10月以降を予定する。

【産廃処理】
県は、桑名市源十郎新田の旧産業廃棄物最終処分場付近で産業廃棄物が不法投棄されていた問題で、旧処分場の敷地約5500平方メートルの汚染対策工事にかかる事業費が当初の51億円から34億5千万円増の85億5千万円となる見込みを示した。

高濃度のPCB(ポリ塩化ビフェニール)が敷地内から検出されたため、掘削工事などで事業費が膨らんだ。来年度は汚染対策工事の発注準備や関係法令の協議に入る。