
【鈴鹿】三重県鈴鹿市の歌人山中智恵子さん(1952―2006年)の歌碑が、菩提(ぼだい)寺となる同市寺家三丁目の正因寺(鷲尾弘文住職)に建立された。5日、歌碑の除幕式があり、関係者ら約20人が出席した。
山中さんは女性の前衛歌人の代表的存在として活躍。鈴鹿市立高等女学校、県立神戸高校などに勤務した。昭和31年に第1回日本歌人賞授賞。80歳で亡くなった。
歌碑を建立したのは同市寺家三丁目の彫刻家長谷川八壽雄さん(88)。妻の道子さん(86)が山中さんの教え子だったことなどから長年家族ぐるみで親交があり、自身の米寿記念に歌碑の建立を決めたという。
境内に建立された歌碑は黒御影石製で高さ約1メートル、幅約80センチ、厚さ約8センチ。彫刻家の長男八兄さんの彫刻作品を活用し、表面に歌集「みずかありなむ」に集録される代表歌の一つ「ゆきて負ふ かなしみぞここ 島髪に 雪降るさらば明日もふりなむ」を刻んだ。
長谷川さんは「本当にうれしい。懐かしい写真を見ながら、歌碑を建てて良かったと思った」と話していた。