三重県議会常任委 「森林条例」の改正を 委員要望、県「検討したい」

【森林づくり条例の改正を求める声が上がった環境生活農林水産常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は5日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と分科会を開いた。環境生活農林水産常任委では、森林保全の理念などを定めた「三重の森林づくり条例」の改正を求める声が上がった。岡村昌和農林水産部長も「林政は変革期にある」などとして積極的な姿勢を示した。改正されれば平成17年10月の施行以来で初となる。一方、森林づくり条例は県議会が条例案を提出した経緯を踏まえ、県は「議会と相談しながら対応を検討したい」としている。

◆「林業施策は変革期」 ― 〈環境生活農林水産=藤田宜三委員長(8人)〉

森林づくり条例の改正は西場信行委員(自民党、9期、多気郡選出)が提案。県当局が常任委で示した「森林づくり基本計画」の改定案を受けて「計画の基になる条例も改正の検討に値する」と訴えた。

【森林づくり条例】
岡村昌和農林水産部長は、みえ森林・林業アカデミーの開講や森林税の見直しなどを踏まえて「森林、林業の施策は、まさに変革期にある」とし、条例改正に前向きな姿勢を示した。県産材の利用を促進する条例も「検討する時期にある」と述べた。

一方、森林づくり条例は議提条例で制定された経緯を踏まえて「議会と相談しながら進めていきたい」と説明。これに対し、西場委員は「議提条例だからといって執行部が改正を遠慮する必要はない」とし、積極的な検討を求めた。

【豚コレラ】
県は愛知、岐阜両県で相次いで感染が確認されている豚コレラについて、防疫の対策を強化すると報告。感染が拡大した原因とされる野生のイノシシについても、県が2月下旬までに検査した13頭の全てが陰性だったと説明した。

中瀬古初美委員(新政みえ、1期、松阪市)は「死亡したイノシシの一報を受けた場合の対応が大事。対応がまずいと不安が不満となり、不信感にもつながる」と指摘。岡村部長は「通報を受けた場合は迅速に検査し、不安を与えないようにしたい」と述べた。

◆当初予算案「可決すべき」 ― 〈戦略企画雇用経済=芳野正英委員長(8人)〉

雇用経済部が所管する約135億6千万円分の平成31年度当初予算案を賛成多数で「可決すべき」とした。岡野恵美委員(共産党、1期、津市選出)が、企業立地の補助金が含まれていることなどを理由に反対した。

【空飛ぶクルマ】
岡野委員は、当初予算案に実証実験の誘致に向けた関連費が盛り込まれている「空飛ぶクルマ」のメリットについて質問。村上亘雇用経済部長は「物流や観光、救急搬送など、多面的な可能性がある」と述べた。

中村進一委員(新政みえ、6期、伊勢市)は実用化のスケジュールを尋ねた。県当局は「国は2030年代半ばにも空飛ぶクルマを拡大させようとしている」とした上で「県内の一部地域では実証実験を経て4年後にも実用化したい」との考えを示した。

田中祐治委員(自民党県議団、1期、松阪市)は墜落の危険性を問うた。県当局は「事業者の責任だと考えているが、安全対策を徹底する事業者に実施してもらえるようにしたい。不慮の事故への対応は地域住民を対象として事前に対応したい」とした。

稲森稔尚委員(草の根運動いが、1期、伊賀市)は法整備の課題について質問した。県当局は「現段階で法や基準がないため、飛行するたびに国の許可を受ける必要がある。国は実証実験と平行して、必要な法整備や基準を検討している」と返答した。

◆犬猫殺処分、目標を達成 ― 〈医療保健子ども福祉病院=野口正委員長(7人)〉

県は本年度に殺処分した犬・猫は515頭となる見込みで、目標の1726頭を達成したと報告。来年度に殺処分する犬・猫を480頭にまで減らす目標を明らかにした。委員からは飼い主が犬猫を捨てている可能性を懸念する意見が出た。

【殺処分目標】
長田隆尚委員(能動、3期、亀山市)は犬・猫の殺処分数が3452頭だった平成24年度から26年度には1611頭に半減した理由を尋ねた。県当局は「法改正で保健所での引き取りを拒否できるようになり、飼い主に最後まで飼うよう指導するようになった」と説明した。

この説明に対し、長田委員は「引き取られなかった犬猫が捨てられているのではないか」と懸念。県当局は「引き取らなかった犬猫が捨てられる可能性はある」と認めつつ「大半は新しい飼い主に譲渡されていると思う」と述べた。

【動物救護活動】
災害時に動物の救護活動で協力するため、県は全29市町と獣医師会で協定の締結を目指すと説明。これまでに協定を締結した市町は23市町にとどまり、28年度以降拡大していないことを報告した。

大久保孝栄委員(鷹山、2期、熊野市・南牟婁郡)が締結していない残りの6市町を尋ねた。県当局は、いなべ市と木曽、東員、菰野、朝日、川越の5町が締結していないと答えた。