紀宝熊野と新宮道路を整備へ 国交省、今月にも決定の見通し 三重

【ぶら下がり会見で、国交省の発表を喜ぶ鈴木知事=三重県庁で】

国土交通省は1日、近畿自動車道紀勢線で未事業区間となっている紀宝熊野道路(約16キロ)と新宮道路(約5キロ)の事業化が、今月中にも決まる見通しとなったと発表した。これにより、紀伊半島を周回する紀勢線の全てが事業化されることとなる。一方、国は開通の時期や目標を示しておらず、県は「引き続き早期の全線開通を要望したい」としている。

紀宝熊野道路は熊野インターチェンジ(IC)付近と紀宝IC、新宮道路は新宮北ICと新宮ICをつなぐ。開通すれば、熊野大泊ICから新宮ICまでの所要時間は国道42号を通行した場合に比べて22分間短縮される。いずれも無料区間となる見通し。

平成23年の紀伊半島大水害では国道42号が通行止めとなり、紀宝町で孤立地域が発生。御浜町には東紀州地域の災害拠点病院に指定されている紀南病院がある。このため、三重、和歌山の両県は災害対応などの観点から早期の事業化を国に要望していた。

国会で政府の予算案が承認されれば、3月中にも事業化が決まる見込み。国は事業化の上で31年度中に建設地の測量や用地買収の交渉に入る。総事業費は事業化の決定と同時に公表される予定。県は紀宝熊野道路に要する事業費の3分の1を負担する。

三重県によると、紀勢線は大阪府松原市を起点とし、紀伊半島の沿岸を通って勢和多気ジャンクションとつながる全長約335キロの自動車専用道路。国土庁(当時)が昭和62年に策定した第4次全国総合開発計画(4全総)の一つとして構想された。

鈴木英敬知事は1日に県庁で開いた緊急のぶら下がり会見で「知事就任以来の悲願で心の底からうれしく思う」とした上で「全線事業化は紛れもなく防災減災対策の肝。地域の熱い声が伝わった結果だと思う。全線開通に向けて全力で取り組む」と述べた。
◆積極的に協力 ― 河上敢二熊野市長の話
尾鷲市、紀北町、御浜町、紀宝町と「熊野尾鷲道路建設促進期成同盟会」を組織し、全線事業化と早期整備を訴えてきた。今後も国や県などと連携し、円滑に事業が進むよう積極的に協力する。

◆貴重な一歩 ― 西田健紀宝町長の話
紀宝熊野道路の事業化に向けた貴重な一歩。紀勢線の全線事業化に向けて大きく前進したことは大変喜ばしい。今後も国や県、関係各位と緊密に連携し、円滑に事業が進むよう全力で取り組む。

◆関係者に感謝 ― 大畑覚御浜町長の話
これまで国会議員や県、地域と共に新規事業化の必要性を訴えてきた。関係者の皆さまに感謝申し上げる。今後も円滑な事業の進捗(しんちょく)を図ることができるよう努めたい。