三重県議会一般質問 残土条例、今月にも判断 制定の必要性で知事

三重県議会2月定例月会議は28日、津村衛(新政みえ、3期、尾鷲市・北牟婁郡選出)、吉川新(同、2期、度会郡)の2議員が一般質問した。建設残土の搬入を規制する残土条例について、鈴木英敬知事は3月中にも制定の必要性を判断する考えを示した。「全市町との協議と他府県条例の調査を3月中に終え、早期に今後の取り組みを提示したい」と答弁。制定の再検討を明言した1月の段階では判断の時期を示していなかった。

◆条例不要の決断あるか ― 津村 衛議員(新政みえ)

津村議員は残土条例の制定を要請。県が残土条例の必要性を再検討した結果として制定しない可能性もあるのかを尋ねた。鈴木知事は「検討の後にしっかり説明したい」と述べるにとどめた。

【残土条例】
津村議員 尾鷲市や紀北町では大量の建設残土が山積みにされ、住民らが不安を感じている。知事は残土条例を制定する必要性を再検討すると表明したが、その思いは。また、検討の結果として条例を制定しない決断もあり得るのか。

知事 紀北町長との対談では、県外から多くの建設残土が搬入され、うず高く堆積する現場を確認した。生活環境の不安や心配の声と共に、未然防止の観点も踏まえて制定の必要性を再検討すべきと判断した。検討をしている現在も搬入は続いている。指導を強化することで住民の不安を払拭できるよう、全力で取り組んでいる。検討結果については協議後にしっかりと説明したい。

【銚子川】
津村議員 銚子川でごみを放置する人が多く、直火のバーベキューも石が焼けたりして危険。路上駐車が緊急車両の通過を妨げることも懸念される。

渡辺県土整備部長 紀北町と県、県警が対策を協議している。町は包括占用許可制度を活用して駐車やキャンプなどが可能な区域を選定する検討もしている。市町と協力し、注意喚起やマナーを啓発したい。

◆財源確保の取り組みは ― 吉川 新議員(新政みえ)

厳しい県財政の中で歳入を確保するための取り組みを尋ねた。県当局は新たな財源として、インターネット上で資金を募る「クラウドファンディング」を本格的に導入し、本年度は9事業のうち6事業で目標額を達成したと報告した。

【県財政】
吉川議員 私たちの借金を次世代に引き継がなければならない状況。国ほどではないが県財政も厳しい。財源確保の取り組みは。

嶋田総務部長 県有財産を有効に活用するため、未利用財産の売却について、インターネットオークションや先着順による売り払いなど工夫し、平成28年度から31年1月までに約5億5千万円の収入確保につなげた。30年度は9事業でクラウドファンディングを活用し、その目標額870万円に対し1月末現在で約736万円となっている。

【未来像】
吉川議員 2050年の県内の未来像を知事はどう思い描いているのか。

知事 その頃は、リニア中央新幹線が全線開業しているとともに、東海環状自動車道や紀勢自動車道が全通し、県内の高速幹線道路網が完成している。県内の人口推計は約150万人とされ、3人に1人が65歳以上。30年先の将来を予見することは非常に難しいが、携帯可能な電子機器と移動手段が発達し、人と人が今まで以上に豊かで深くつながっている時代になっているだろう。

<記者席>知事、「70代も躍動」楽観視

○…1年前の質問で「議長のお許しをいただいたので」と発言すべきを「知事のお許しを」と失言し、大爆笑を生んだ津村議員。「今回はそういうことにならないように」と気を引き締めた。

○…一方、質問では残土条例の再検討を表明した知事を「すごい」と評価。知事選の対応を決めかねている新政みえを飛び越えて「個人的には推薦状を出そうと思ったぐらい」とまで発言した。

○…知事は終了後の取材に「多くの支持をいただけることはありがたい」とコメント。推薦に「知事のお許し」は必要なさそうだが、どうする津村議員。「3月中に判断する」と冗談交じりに語った。

○…71歳の吉川議員は「不安がいっぱいな世の中。悲観している」と表現したのに対し、鈴木知事は「2050年に70代後半を迎える。今以上に躍動したい」と楽観視。

○…知事はフランスの哲学者、アランの言葉を引用し「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」と述べ「前向きに取り組むことが大事」と鼓舞。それでも吉川議員は「不安がぬぐえない」。気分が変えられないのは人生経験の長さ故か、考え方の相違か。