玉城町 熊野古道の道標80年ぶり復元 伊勢路出立の地 三重

【道標の除幕をする関係者ら=玉城町原で】

【度会郡】かつて伊勢参りを済ませた旅人が巡礼姿に身を整え、熊野を目指した熊野古道伊勢路出立の地・三重県玉城町で27日、今年7月の熊野古道世界遺産登録15周年を記念し、80年ぶりに移設先から元の位置に復元した国束道標と参宮道・熊野道標の除幕式があり、町や県関係者、地元住民約40人が出席した。

道標は江戸時代中期に、熊野道、参宮道、国束参道の分岐点で交通の要衝だった原区に建てられたもの。道標の傍らには客待ちする人力車の詰め所が大正初め頃まで置かれ、中町通りには7軒の旅籠屋があったという。

昭和14年に行われた道路改良で、高さ1メートルの自然石に刻まれた参宮道・熊野道標は旧黒井邸の入り口に移されたのち、昭和37年に原公民館玄関横に移設。高さ約2・3メートルの国束道標は地区内の五叉路に移されていた。

町は記念事業の一環として道標2基を元の場所に戻し、町内十数カ所に熊野街道の方向を示す案内表示板を設置した。県も昨年12月、熊野古道伊勢路沿線の十市町と実行委員会を結成。今後はさまざまな事業を行い、世界遺産登録15周年の機運盛り上げを図る。

原区であった除幕式では、辻村修一町長が「道標の復元は熊野古道世界遺産登録15周年の記念行事の先駆け。町としても町の歴史や文化、景観を大事にして地域づくりにつなげていきたい」とあいさつ。関係者が道標の除幕をした後、土地を無償で貸し出した小辻敏生さんに感謝状が贈られた。