エチオピアの人々描く 志摩病院の小児科医師・松林さん、水墨画で 三重

【エチオピアの人々を水墨画で描いた作品と松林さん=志摩市大王町の大王美術ギャラリーで】

【志摩】三重県志摩市大王町の大王美術ギャラリーで、県立志摩病院の小児科科長、松林信幸さん(70)の水墨画展「エチオピアに生きる」が開かれている。観覧無料、3月18日まで。火、水曜日は休館。

松阪市出身の松林さんは京都大学理学部を卒業後、旅行中に患った病気をきっかけに医学の道を志し、三重大学医学部に入学。卒業後は病院勤務を経て、国際協力機構(JICA)の専門家としてザンビア共和国に3年半、タンザニア連合共和国に4年半滞在し、国際保健医療活動を行った。

その後、志摩病院で7年にわたり小児科医師として勤務後、平成22年からJICAの活動に参加。約2年間、エチオピアのアムハラ州で感染症に関する情報収集のシステム構築などに取り組んだ。帰国後は再び志摩病院に戻って子どもらの診療を実施。今年4月から南伊勢町の町立南伊勢病院に赴任する。

水墨画はエチオピアでの活動時、現地の人々の飾り気がなく人間としての魅力あふれる姿に強い触発を受け、持参した墨と筆で描き始めた。人々の内面に宿るものや生活感などを伝えようと現在も墨だけで描き続け、これまで200点以上を制作した。

同展には水を運ぶ少女や診療を待つ母子、はにかんだ笑顔の子どもたち、市場で野菜や魚を売る人など、生活の一コマや人々の表情を切り取った65点を展示。エチオピア正教の岩窟教会をイメージし、4カ月掛けて仕上げた大作も目を引く。

松林さんは「我々の周りはバーチャルリアリティーにあふれ、本当の現実感が希薄になってきている。展示した絵にわずかでもリアルなリアリティーを感じてもらえれば」と話した。