
【伊勢】5月の改元を前に、「平成から次の時代へ」と題した特別講演会が20日夜、三重県伊勢市岩渕のシンフォニアテクノロジー響ホール伊勢であり、明治天皇の玄孫で作家の竹田恒泰氏が講師を務めた。竹田氏は「元号は日本が国として独立している証。西暦に統一した方が合理的という意見もあるが、便利さで考えるべきではない」と指摘し、約千人(主催者発表)が聞き入った。
伊勢市や伊勢商工会議所などでつくる「御大礼奉祝委員会」が主催。竹田氏は「大化の改新以来、1300年余り続く元号(制度)は日本人共通の時間軸」と指摘した。明治維新や応仁の乱などを例に出し、元号の存在は日本史を語る上で必要不可欠だと強調した。
さらに、中国もかつては元号を使っていた歴史を紹介。冊封体制を敷き、周辺国にも中国が定めた元号の使用を求める中、日本が独自の元号を設けたことは「独立の証。歴史の経緯を踏まえれば、便利か不便かで考えるものではなく、西暦と併用しても国民生活に問題は無い」と話した。
講演は元号の話から天皇陛下に移り、竹田氏は「天皇は国や民の安寧を祈る存在。そのあり方は三種の神器と共に歴代の天皇陛下から皇太子殿下に代々受け継がれてきた」と紹介。「日本そのものが新しい時代に入る時を見守ろう」と、講演を締めくくった。