松本幸四郎氏が役作りで鈴鹿に 光太夫演じる新作歌舞伎 三重

【大黑屋光太夫についての説明を受ける松本幸四郎氏=鈴鹿市若松中1丁目の大黑屋光太夫記念館で】

【鈴鹿】6月に東京都の歌舞伎座で上演される新作歌舞伎「風雲児たち」(三谷幸喜作・演出)で、三重県鈴鹿市出身の偉人、大黑屋光太夫を演じる歌舞伎俳優の松本幸四郎氏(46)が21日、役作りのため同市若松中一丁目の大黑屋光太夫記念館など、若松地区を中心とした6カ所を訪問した。

同記念館では市文化財課の代田美里学芸員(41)が、史料の解説をしながら光太夫の人柄について説明。「仲間との信頼関係が強く、指導力もあったが、図々しくて図太い側面もあったから生き残れた。愛されキャラ」などと話した。

松本氏は時折質問しながら熱心に説明を聞き、自身の中に浮かんだ光太夫の人物像について「野心や野望がある感じがしない。その時その時の自分の運命に乗っかって生き抜いた人という気がする」と話し、「素晴らしい歌舞伎の傑作を作り上げたいと改めて強く思う」と意気込みを語った。

鈴鹿への訪問を歓迎し、同記念館で松本氏と対面した末松則子市長は「光太夫は鈴鹿の偉人として市民から愛されている。そんな光太夫を演じてもらえるのは光栄。素晴らしい舞台になることを期待している」と激励した。

「風雲児たち」は関ヶ原の戦いから幕末に至るまでの歴史を描いたみなもと太郎原作の人気歴史漫画。今回の作品では光太夫が中心となって活躍する。

大黒屋光太夫(1751―1828年)は江戸時代に漂流し、日本で初めてロシアを見て帰国した船頭として蘭学の発展に貢献した。