鈴鹿市 顔写真撮影見直しへ 生活保護受給者確認で

【生活保護受給者の顔写真撮影について説明する森川所長(左)ら=鈴鹿市役所で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市は20日、生活保護受給者の本人確認手段について見直すことを明らかにした。これまでは他人への誤支給を防ぐため、生活保護申請時に本人の了承を得て申請者の顔写真を撮影してきたが、「保護決定前で嫌と言えない心理的な圧力をかけていた可能性もあり、配慮が足りなかった」として、今後は写真撮影以外の方法を検討する。

同市社会福祉事務所によると、写真撮影は平成21年に名古屋市で生活保護受給者の誤支給があったことを受けた対策として、同年12月ごろから始まった。その前年には市で大規模な生活保護費不正受給事件が発覚し、市は第三者委員会の報告書で「現金の取り扱いに問題があった」との指摘を受け、本人確認に利用するための慎重な対応として、写真撮影をしてきた。

違法性はないが、8日の国会に「鈴鹿市で生活保護受給者の顔写真を撮影していることに関する質問主意書」が提出されたことが厚労省からの問い合わせで分かり、市が県に他市の状況を確認したところ、鈴鹿以外で顔写真を撮影している福祉事務所は把握していないとの回答を得たことから、見直しを決めたという。

森川洋行事務所長は「当時は誤支給をなくすことに力点を置いていたが、現状では保護受給者も減っており、ケースワーカーも増えていることから、写真以外で本人確認できると判断した」「他市や他部署の手法を参考に検討していく」と述べた。

今月1日現在の生活保護受給者数は979人。そのうち写真付き身分証明書を持っていないなどの理由で写真撮影したのは511人。原則保護費は振り込みだが、振り込みが間に合わない支給決定後の初支給時や緊急時は窓口で現金を渡す。