津市が新年度当初予算案 4%増1146億円 4年ぶりプラス 三重

【平成31年度当初予算案を発表する前葉市長=津市役所で】

【津】三重県津市は14日、平成31年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比4・0%増の1146億5千万円。津市長選を控えた「選挙前スタイル予算」としているものの、文化ホール「久居アルスプラザ」の建設など大型事業の継続費が重なったため4年ぶりのプラス編成で、平成27年度に次ぐ過去2番目の予算規模となった。2月20日開会の市議会3月定例会に提出する。

特別会計と企業会計を含めた総額は5・3%増の2481億5千万円。モーターボート競走事業会計から1億円を一般会計に繰り出す。

歳入では、企業の増益を背景とした個人・法人市民税の増収を見込み、市税は7億9千万円(2・0%)増の409億円。10月の消費増税による駆け込みで、地方消費税交付金は13・4%増の50億7千万円を見込む。前年度に償還が完了したまちづくり振興基金を7億4千万円取り崩した。

臨時財政対策債を含めた実質の地方交付税は220億円。市町村合併に伴う普通交付税の算定特例期間が28年度から段階的に縮小されているものの、特別交付税の増額が見込まれるため、地方交付税は前年度と同じ180億円となった。

歳出では、給与改定による給料の増額や選挙の実施に伴い、人件費が1・4%増の203億6千万円で、全体の17・8%を占める。扶助費は子ども医療費や児童扶養手当の制度改正で給付費が増し、3・4%増の243億2千万円。これらを含めた義務的経費は554億3千万円となる。

投資的経費は25・7%増の161億7千万円。久居アルスプラザの建設などで国の補助範囲を超える単独事業分が膨らみ、単独事業費は52・3%増の115億3千万円を見込む。普通建設事業費全体では25・8%増の161億3千万円となった。

前葉泰幸市長は14日の記者会見で、新年度予算を「新しい時代へつなぐ予算」と位置付け、「平成の時代が終わり、次の時代を迎える。次の時代にどうやってつないでいくかということを主に力を入れた予算にした」と述べた。

一方、4年ぶりに増額となった理由を「継続事業や設計を終えた事業が多いため、結果として膨らんだ」と説明。「新規事業の多くは選挙後に見送り、最少限にとどめた」と語った。

◆解説 ― 将来負担残さない財政運営を◆

津市の一般会計当初予算案は市長選を控えた「選挙前スタイル予算」(前葉市長)としながらも、過去2番目の規模となった。予算を押し上げた要因は合併特例債の発行期限に間に合わせようと計画された「久居アルスプラザ」などの大型事業が重なったことだ。

来年度は79億700万円の合併特例債を発行し、市債発行額の半分を占める。市はこれまで合併特例債を重要な財源として大型事業に活用。合併直後の発行限度額は710億円と全国でも有数の規模だった。当初予算案編成後は残り82億8千万円となる。

一方、公債費は膨らむ。前葉市長は「合併特例債は元利償還金の7割が地方交付税として入ってくる。制御可能なレベルと思っている」と強調するが、2023年度には最終処分場や斎場「いつくしみの杜」など四大プロジェクトのために発行した合併特例債の償還時期が重なり、ピークを迎える。将来世代に負担を残さない財政運営が求められる。