旧久居市強殺事件 再審請求抗告を棄却 特別抗告申し立てへ 名古屋高裁

【特別抗告の方針を示す伊藤主任弁護人=津市の三重合同法律事務所で】

三重県の旧久居市(現津市)で平成6年、男性2人を拳銃で射殺し、奪った預金通帳で現金を引き出したとして、強盗殺人などの罪で死刑が確定している元会社役員、濱川邦彦死刑囚(58)の第2次再審請求について、名古屋高裁(高橋徹裁判長)は1月31日、抗告の棄却を決定した。津市中央の三重合同法律事務所で会見した弁護団は1日の会見で「証拠の信頼性は十分で決定は不当」とし、6日までに最高裁に特別抗告を申し立てる方針を示した。

請求では、旧久居市の造成地に旧小俣町(現伊勢市小俣町)の真珠等輸入販売業高木功さん=当時(62)の遺体が埋められた死体遺棄事件について、弁護団が再現実験を実施。防犯カメラの映像などから証明された犯行時間内に伊勢市から松阪市を経由し、不慣れな重機を使って遺体を埋め戻すことは不可能として「アリバイが成立する」と主張した。

津地裁は「証拠の新規性は認められるが、合理的疑いを抱かせる証拠とは言えない」とし、29年1月13日付で請求を棄却。高橋裁判長は原決定を支持し、「証拠の新規性は認めるが、無罪を言い渡すべき明白な証拠に当たらない」として抗告を棄却した。

弁護団の伊藤誠基主任弁護人は会見で「証拠価値は高く、信用性が揺らぐものではない。最高裁に判断を委ねたい」と述べた。高速道路の通過記録など捜査機関からの証拠開示が十分でない中での判断として「受け入れることのできない審理手続き。審理不尽を訴えたい」とした。

事件を巡っては、津地裁が14年に死刑判決を宣告し、19年に最高裁で判決が確定。新証言を証拠に求めた第1次再審請求は、26年に最高裁で特別抗告が棄却されている。