文化財工事巡る汚職事件 元亀山市職員に猶予判決 津地裁 三重

三重県亀山市の市指定文化財「松風山福泉寺楼門」(亀山市東町一丁目)の修理工事を巡る指名競争入札で便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして、加重収賄の罪に問われた元同市生活文化部次長の無職、嶋村明彦被告(57)=同市関町=の判決公判で、津地裁(田中伸一裁判長)は31日、懲役2年、執行猶予4年、追徴金20万円(求刑・懲役2年、追徴金20万円)の判決を言い渡した。

田中裁判長は判決理由で、「指名競争入札を実施させるなど、公正さの確保に配慮していたが、同寺が技術などをよく知る修理業者による受注を希望していると推測して入札書の差し替えを提案するなど不正行為に及んだ。計画的な不正行為とは言えないが、結局自身の行為で公務の適性確保の趣旨を大きく没却した」と指摘。また「要求してないとはいえ額は少なくなく、長らく文化財保護に関する職務に従事し、職員を適正な公務実現のため指揮監督すべき立場でありながら、公務員の職務の適性に対する社会の信頼を大きく害した。態様は悪質で相応の非難を免れない」と述べた。

判決によると、嶋村被告は29年6月29日、市の補助を受けた同事業の入札を指導監督する市文化振興局長として入札に立ち会い、知人の宮大工男性に参加業者の最低価格を教えて入札書を差し替えさせ、男性の代理業者に落札させた。見返りに同7月11日、同寺付近の路上で現金20万円を受け取った。

市は昨年12月28日付で嶋村被告を懲戒免職処分とした。