三重県 再委託の金額、把握せず 包括外部監査、7件に改善指摘

三重県は28日、本年度の包括外部監査結果を発表した。子どもの福祉に関する29年度の事業を対象に監査。印刷業務などの再委託を申請した業者に対し、県が再委託の金額を把握しないまま許可したケースなど7件について指摘し、早急な改善を求めた。また、啓発冊子の作成に当たって開いた委員会を詳細に記録せず箇条書きのメモにとどめていたなどとして、15件の意見を出した。

包括外部監査人の早川忠宏弁護士が昨年6月から監査した。少子化や児童虐待の問題に関心が高まる中でも「経済的な観点が必要」として、テーマは「子どもの福祉に関する事務の執行について」と設定。旧健康福祉部(現子ども福祉部)の27事業を調べた。

指摘のうち、3件は消費税に関連した事務処理。補助金や交付金を使って物品を購入した委託先には消費税分を返還させるよう要領に定めているが、県は認定こども園の施設整備や私立幼稚園の振興に関連する補助金などで返還の必要性を検討しなかった。

結婚支援の事業では、県が委託先の申請に基づいて印刷などの再委託を承認したが、申請書や決裁文書に再委託の金額を明記していなかった。契約書の規定は再委託の申請に金額の明記を義務付けており、監査人は「看過できない」と指摘した。

このほか、みえの出逢い支援事業では、結婚に関する意識調査などの委託先と県が少なくとも10回の打ち合わせを実施すると仕様書に定めていたが、実施したことを示す資料が残されていなかった。打ち合わせ自体も委託費の積算根拠だったという。

早川弁護士は会見で、指摘した事務処理について「極端にひどい状況ではなかった」としつつも「(事務処理に対する意識が)乱れている。必要な資料はしっかり残しておくなど、いつも県民に見られているという意識をもってほしい」と述べた。

鈴木英敬知事はぶら下がり会見で「不適切な事務の再発防止に取り組んでいる中で、証拠書類や決裁の状況など時宜を得た指摘だった。福祉だから非効率的で良いというわけではなく、透明性や効率性も大事。重く受け止めて改善に努めたい」と述べた。