日本画家「鯛の左洲」にスポット 三重・伊勢古市参宮街道資料館で企画展

【タイを描いた掛け軸など左洲の作品が並ぶ会場=伊勢市中之町の伊勢古市参宮街道資料館で】

【伊勢】三重県伊勢市二見町出身の日本画家・中村左洲(1873―1953年)にスポットを当てた企画展が、同市中之町の伊勢古市参宮街道資料館で開かれている。2月10日まで。月曜休館。

左洲は旧二見町今一色の漁師の家に生まれ、11歳で父を亡くした。生計を助けるため漁師をする傍ら、身近な魚や漁の様子、海辺の風景などを好んで描き夢中になった。伊勢を代表する画家磯部百鱗に師事し、22歳で「第四回内国勧業博覧会」に出展した「製塩図」が受賞したことを機に名声を広めた。写実的なタイの絵を得意としたことから「鯛の左洲」と親しまれ、生涯地元を離れることなく絵筆を取り続けた。

会場には、左洲の生涯を紹介するパネル、タイや二見を題材にした明治―昭和期の掛け軸、書簡や調度品など67点を展示している。

企画した世古富保館長(70)は「生涯を伊勢で過ごした左洲ならではの素朴で趣ある画風に触れてほしい。郷土の文化芸術に光を当て、発信を続けたい」と話していた。