伊勢市長会見 国民総参宮のぼり問題 駅前など再設置も検討 三重

【改元を祝うのぼり旗の撤去理由を説明する鈴木市長=伊勢市役所で】

【伊勢】政教分離の観点から「不適切」として、国民総参宮ののぼり旗が伊勢市役所などから撤去された問題で、三重県の鈴木健一伊勢市長は22日の定例会見で「駅前など、市役所以外からの撤去は御大礼奉祝委員会に諮るべきだった。独断でやり反省している」と語った。のぼり旗の扱いについては、駅前などへの再設置も含め、委員会内で検討していることを明かした。

のぼり旗は、市や伊勢商工会議所など官民でつくる御大礼奉祝委員会(会長・鈴木健一市長)が先月28日、5月の改元を祝うため、市役所や近鉄五十鈴川駅など市内4カ所に計59本設置した。だが、今月8日、報道陣が市役所に掲げられているのぼり旗について、市に政教分離違反の疑いを指摘。委員会は全てののぼり旗を撤去した。

この日の会見で、鈴木市長は「市役所への設置は、憲法や法律に抵触するものではないが(のぼりに)主体者名が入っていないため、市として(伊勢神宮への)参拝を促していると捉えられかねない」と説明。その上で「市役所からの撤去は市長権限でできるが、他ののぼりの撤去は委員会と協議すべきだった」と述べた。

政教分離違反ではない理由として、鈴木市長は「のぼり旗の設置は平成への感謝と新しい時代の祝いが目的。特定宗教の信仰を促すものではなく、政教分離の原則に反しているかを問う『目的効果基準』からみて法に抵触していない」と説明した。

撤去した59本の内訳は、JR伊勢市駅前が19本▽近鉄五十鈴川駅が32本▽市役所が6本▽商工会議所が2本。鈴木市長は市役所を除く53本の再設置などを委員会が協議していることを明かした。また、のぼりはこの59本を含め全部で500本あり、委員会以外の別の団体が設置者になって再設置する案も検討されているという。

一方、鈴木市長は観光事業について「地域資源として寺社仏閣とタイアップしていくことは問題ない」とし、従来通り伊勢の名所として伊勢神宮を発信していく考えを強調した。