
編成が大詰めを迎えている平成31年度三重県当初予算に対する知事査定が21日、県庁で始まった。22日までの2日間にわたって実施し、各部局が要求している予算や事業を絞り込む。
鈴木英敬知事は査定の冒頭で「未来への希望を支える安全安心と未来を切り開く取り組みに挑戦する予算にしたい」とする一方で「財政が厳しい中で、真に必要な事業に資源を集中させる」などと述べた。
財政課と各部局の議論を経て知事に判断を求める必要性が浮上した27本の非公共事業と公共事業の計1018億円を査定する。21日は防災対策部、環境生活部、地域連携部、警察本部の予算を査定した。
地域連携部は、2年後の三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)に向けた準備費として、8億1300万円を要求。競技力向上の事業費には6億8900万円を求めた。
これに対し、鈴木知事は「『国体なので』『先催県では』『要綱では』といった説明ではオッケーできない」と指摘。「聖域なく、ゼロベースで精査すべき。細かく詰めて削り込んでほしい」と求めた。
防災対策部は、住民が助け合って風水害から避難する「共助」を促す市町への補助金として7500万円を要求。うち2千万円の「特別枠」は、共助の取り組みを交付の条件としている点を強調した。
鈴木知事は「7月豪雨を教訓として共助を柱に据える意味はある」としつつも「住民に情報が伝わっているかなど、過去の取り組みを検証する必要がある。効果のある共助を後押しすべき」と指摘した。
また、県警本部は移動式の速度違反取り締まり装置(オービス)を購入する費用として2千万円、横断歩道の塗り替えや老朽化した信号の更新といった交通安全施設の整備費に7億6千万円を要求した。
県によると、来年度当初予算の一般会計に対する各部局の要求額は、歳入の見込みを137億円上回る7222億円。県は2月12日の県議会全員協議会で、当初予算案を発表する。