残土問題で条例制定再検討 三重県知事、紀北町長に方針示す

【建設残土が積み上げられている現場を視察する鈴木知事(左)と尾上町長(右)=紀北町東長島田山地区で】

【北牟婁郡】鈴木英敬三重県知事と尾上壽一紀北町長の「一対一対談」が18日、町役場であった。尾上町長は町内や尾鷲市に首都圏から大量に運ばれている建設残土の問題に関連して「県条例を制定してほしい」と要望。鈴木知事は「全市町と協議して条例制定の必要性を再検討する」との考えを示した。これまで、県は「条例制定による新たな規制が必要な状況ではない」との考えだった。

町によると、町内では東長島田山地区や三浦地区など8カ所に建設残土が積み上げられ、住民から土砂崩れなどを心配する声が上がっている。町はこれらの声を踏まえて「紀北町生活環境の保全に関する条例案」を町議会3月議会に提出する。

鈴木知事は対談に先立ち、東長島田山地区にある建設残土の搬入現場を尾上町長の案内で視察した。

尾上町長は対談で「銚子川上流の尾鷲市にも残土が運ばれている。町で条例を制定しても他の市町に土が運ばれる心配もあるので、県で条例を制定してもらいたい」と訴えた。

鈴木知事は「現地を見たり大勢の声を聞いたりしたうえで、全市町と建設残土の課題や役割分担について年度内に協議し、改めて条例制定について検討したい」と述べた。

また、鈴木知事は「県が森林法に基づき、森林開発許可を出している場所について指導を強化する」と説明。市町や県の手続きなどをまとめたマニュアルを年度内に策定する考えを示した。

さらに、県が林地開発許可を出している現場については「県が土地所有者の同意を求めた上で現況を測量し、安定性を確認する。測量の結果、高さや勾配などが基準を満たさない場合は早急に是正するよう指導する。指導に従わない場合は復旧命令や刑事告発など状況に応じて対応したい」と述べた。