「再発防止策に優先順位を」 三重県が有識者コンプライアンス懇話会

【コンプライアンス懇話会で、再発防止策に意見する委員ら=津市栄町1丁目で】

相次ぐ県職員の不祥事や事務処理のミスを受け、三重県は14日、有識者らでつくるコンプライアンス懇話会(5人)の初会合を津市栄町一丁目の吉田山会館で開いた。県が策定した再発防止策の中間案に対し、委員の意見を聴取。「いろんなことを書きすぎ」などとして、対策に優先順位を付けるよう求める声が相次いだ。「問題の根本を探る必要がある」とし、組織風土まで踏み込んだ分析を提案する意見もあった。

再発防止策は、各部局の総務課長らでつくるコンプライアンス推進会議が障害者雇用率の算定誤りなどを受けて策定。職員の意識向上▽支え合う職場作り▽処分の厳格化―などを対策に掲げた。

初会合には4人の委員が出席。嶋田宜浩総務部長は冒頭のあいさつで「再発防止策のポイントが外れている可能性もある。外部の意見を参考にして取り組みを進めたい」と述べ、委員らに意見を求めた。

横浜国立大の野口和彦リスク共生社会創造センター長は「もう少し本質的な問題があるのでは。組織の風土や文化といった根本の分析をする必要がある。不祥事とミスを一緒にするのも良くない」と指摘した。

年度内に最終案をまとめる県の方針に対しても「県民の批判が大きい中で頑張る姿を見せたい気持ちも分かるが、半年では変わらない。どのぐらいでゴールに持って行くかを考えるべき」と述べた。

「人は信頼されると自分を律する」とした上で「自分たちの業務が県の基盤を支えているというプライドを職員に持たせる取り組みも必要」と指摘。対策ごとに効果を測定することも提案した。

自治体の内部統制に詳しい日本大経済学部の石川恵子教授は再発防止策について「必要なことがもれなく検討されているが、有機的に機能させる必要がある」とし、業務の見える化や職員間での共有を求めた。

一方で「中間案はいろんなことを書きすぎ」と指摘したのは、北勢綜合法律事務所の早川忠宏弁護士。「中間案の内容を全て守れと言われても、職員はどうすることもできないのでは」と指摘した。

その上で、鳥羽港の改修を巡る公文書改ざん問題を取り上げて「職員は当時、最良の方法だったと思ってやったのでは」と指摘。公正性や透明性を高めることが対策につながるとアドバイスした。

化学メーカー、花王の皆川要コンプライアンス推進部長も「これだけやるのは大変」とし、対策に優先順位を付けるよう提案。社内では法令違反による操業停止や罰金を最大のリスクと捉えていると紹介した。

懇話会は年度内にも2回目の会合を開く予定。県は委員らの意見を踏まえ、コンプライアンス推進会議で再発防止策の最終案を策定する。策定後も定期的に推進会議を開いて対策を検証する方針。