リニア早期全線開業を 三重など3府県決議採択

【名古屋―大阪間の早期着工を求める決議を採択したリニア中央新幹線の建設促進大会=津市羽所町で】

リニア中央新幹線の「建設促進大会」が17日、三重県津市羽所町のホテルグリーンパーク津であった。三重、奈良両県と大阪府の政財界を中心に、約370人が出席。早期の全線開業や名古屋以西ルートの早期確定を国やJR東海に求める決議を採択した。

県によると、大会は三重、奈良両県の官民で構成する建設促進期成同盟会など3府県の4団体が共催。同様の大会はこれまで、主に三重、奈良両県が開いてきたが、名古屋以西の実現性を高めようと、昨年度からは大阪府を巻き込んで開いている。

決議文は「リニアは全線開業してこそ効果が最大限に発揮できる」とした上で、名古屋以西は国の整備計画が示した「三重、奈良、大阪ルート」を前提とするよう要請。駅は効果が近畿全体に及ぶ位置に設け、乗り換えの利便性も確保するよう求めている。

JR東海の金子慎社長は大会のあいさつで「3兆円の財政投融資を生かして大阪までの工事も速やかに進め、全線開業の前倒しに全力を挙げる」と説明。3府県と担当者と同社が環境アセスメントに向けて進める実務的な意見交換を継続させる考えを示した。

鈴木英敬知事は「長い付き合いになると思うが、長く感じないよう盛り上げよう」とあいさつ。荒井正吾奈良県知事は「JR東海さんが『ここ掘れワンワン』と言えば、進んで土をかき出しに行く。早期開業に向けて全力で協力する」と述べた。

<記者席>政治家動かす「リニア」

○…建設促進大会で会場を爆笑させたのは、奈良県の荒井知事。「リニアの駅とルートに一安心できないので、次の知事選に出馬することにした」とあいさつしたのだ。

○…「次の任期中に場所を決めてもらえれば」と、当選を前提にした発言も。リニアだけが出馬の動機ではないにせよ、会場からは笑いと共に拍手がわき起こっていた。

○…一方、三重も奈良と同じく来春に知事選を控えるが、鈴木知事は現在も進退を表明せぬまま。あいさつを聞いて笑っていたが、決して「人ごと」ではないだろう。

○…その鈴木知事も前回参院選で自民党候補を応援した理由に安倍政権のリニア名古屋以西前倒し方針を挙げていた。どうもリニアには政治家を動かす力があるらしい。

○…とすれば「3選出馬」は確実か。ただ、それなら「国政転身」も浮上する。いずれにせよ、リニアの要望とは異なり、進退表明は「一日も早く」とはならないようだ。