三重県、受給者証283件再交付せず 難病の人の高額療養費 事務処理を放置

【事務作業の未処理を発表し、頭を下げる県幹部ら=三重県庁で】

三重県は13日、難病の人に交付する受給者証の事務処理を放置していたと発表した。伊賀保健所が事務処理を怠り、平成29度と30年度の2年分で283件に必要な再交付をしなかった。受給者や医療機関の負担に影響はなかったが、健康保険組合など保険者の負担に約77万円の過不足が生じた。県は事務を担当した課長補佐級の40代男性に対する処分を検討している。

県によると、29年度は再交付が必要な232件のうち188件に再交付をしなかったほか、23件の再交付が遅れた。30年度は再交付が必要な95件の全てに再交付をしていなかった。

8月下旬、受給者の家族が伊賀保健所に医療費に関する問い合わせをしたのをきっかけに発覚。問い合わせを受けた職員が担当職員の机を調べたところ、再交付に関する未処理の書類が見つかった。

難病に関する高額療養費は、受給者の所得によって公費と保険者の負担割合が変わる。保健所は受給者の所得区分が変更されたことを知らせる保険者からの通知に基づき、受給者証を再交付している。

伊賀保健所が再交付をしなかったことで、県後期高齢者医療広域連合、全国健康保険協会三重支部、伊賀市の3保険者が計71万6千円の医療費を過剰に負担。名張市の支払いには5万4千円の不足が生じた。

伊賀保健所は全ての受給者証を対象とした10月の更新に合わせて所得区分を変更するなどして対応。費用負担に過不足が生じた保険者には謝罪して経緯を説明した。過不足分は近く解消する方針。

40代男性職員は、29年度からこの事務を担当している。「何とかしなければと思っていたが、書類の整理が苦手で対応しきれなかった。ほかの業務をするうちに忘れていた」と話しているという。

県健康づくり課は「伊賀保健所は作業の進行を管理する表を作成して職員が情報共有を図るなど、再発防止に努めている」と説明。県人事課は「男性職員の処分を検討している」としている。

鈴木英敬知事は13日のぶら下がり会見で「コンプライアンス推進会議で議論しているさなかに、不適切な事務処理を発表しなければならなかったのは遺憾。県民の信頼を損ね、申し訳なく思う」と述べた。