三重県議会 シャープ亀山工場雇い止め 就労へ相談窓口紹介

【雇い止めの報告を受ける戦略企画雇用経済常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は12日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委と予算決算常任委の各分科会を開いた。県は亀山市のシャープ亀山工場で大量の外国人労働者らが雇い止めをされた問題について、相談窓口の紹介などを通じて「円滑な就労につながるよう取り組む」と説明した。県が同工場に支払っている補助金は「条例に基づくと支払わざるを得ない」とし、雇い止めは補助金の支払いを中止する要因には当たらないとの考えを示した。

また、県は医療保健子ども福祉病院常任委で、県立一志病院(津市)に地域包括支援センターを設置することについて県と市の実務者レベルの協議が難航したため、10月末までに出す予定だった結論を本年度末までに先送りしたと報告した。
◆「報告人数、報道と乖離」
 〈戦略企画雇用経済=芳野正英委員長(8人)〉

雇い止めをされたシャープ亀山工場の労働者について、県は同工場から750人との報告を受けているとした上で「報道されている3千人とは乖離(かいり)がある。事実関係の確認に努める」と説明した。

【雇い止め】
村上亘雇用経済部長は「乖離」の理由について「(雇い止めをされた労働者は)シャープが直接に雇用しておらず、実態が把握しにくい。県に調査権限があるわけでもない」と説明。同工場に引き続き調査を依頼する考えを示した。

中村進一委員(新政みえ、6期、伊勢市選出)は「雇い止めをされた労働者はどのような状況に置かれているのか」と質問。県は「ハローワークを通じて再就職をしたり、県外に帰ったりした人もいるとも聞くが、人数は把握していない」と説明した。

【経済効果】
県は毎年5月に調査している同工場の経済効果を公表。取引先を含む22社の雇用は前年比で約百人の減少にとどまり、雇い止めの人数が反映されなかった。県は「前回と今回の調査の間で増減したと考えられる」としている。

岡野恵美委員(共産党、1期、津市選出)は、同工場に支払う総額90億円の補助金に「疑問を感じる」と主張。県当局は、雇い止めが起きたスマートフォンの製造ラインは誘致以降の事業であることなどから「補助金の差し止めには当たらない」と説明した。
◆本年度末に先送り 地域包括支援施設設置で
 〈医療保健子ども福祉病院=野口正委員長(7人)〉

県立一志病院(津市)を核とした地域医療体制を検討するため、今年4月に立ち上げた県と市の実務者レベルのワーキンググループで、10月末をめどに協議を終える予定だった4項目の結論が出なかったと報告。一定の結論を出す時期を本年度末に先延ばしにした。

【一志病院】
県は地域包括支援センターの設置場所を巡る協議が難航したと説明。同院3階への設置を検討していたが、病院利用者とは別の動線を確保するために高額な改修費が見込まれるため院内設置が難しくなった。

センターに併設することを想定していた訪問看護ステーションについては、単独で院内に設置することでまとまった。センターと一緒に入る予定の認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員に関する議論は進まなかった。

【バリアフリー化】
来年度から4年間で取り組む「第4次県ユニバーサルデザインのまちづくり推進計画」の最終案がまとまったと報告。ユニバーサルデザインの意識づくりなど3つの施策体系に合わせ、19項目の個別目標を掲げた。

個別目標の中で1日当たりの平均利用者が3千人以上の32駅のうちバリアフリー化されたのは21駅にとどまっていると説明。4年後までに残りの11駅でも段差の解消や多機能トイレの設置に取り組むという目標を示した。
◆森づくり計画改定へ最終案
 〈環境生活農林水産=藤田宜三委員長(8人)〉

県は森林づくりの方向性を示す「三重の森林づくり基本計画」の改定に向けた最終案を示した。平成18年の策定以降で改定は2度目となる。来年の2月定例月会議に議案として提出する。

【基本計画】
最終案は改定前の計画と同じく、森林の多面的機能発揮▽林業の持続的発展▽森林環境教育の振興▽森林づくりへの県民参画―の4項目を基本方針に設定。「みえ森と緑の県民税」を平成31年度以降も継続させることも明記した。

最終案は10年後の目標として、県や市町などの公的主体が約3万ヘクタールの森林を間伐などで整備すると明記。年間のペースとしては現状の2倍に当たる。また、県内の森林から生産される原木を現状の約1・3倍に当たる43万立方メートルにすると掲げた。

【水福連携】
県は漁業の人材確保と障害者の就労拡大を目的に進めている「水福連携」の取り組みを報告。9つの福祉事業所に所属する延べ358人の障害者が、カキ養殖業や漁具の修繕などに従事していることを明らかにした。

県当局は「さらに水福連携を進めるため、障害者に漁業作業を指導できる人材の育成などを支援したい」と説明。西場信行委員(自民党、9期、多気郡)は「画期的な取り組みだと思う」と評価し、全国的に注目されるモデルとして広めるよう促した。