三重県議会 県教委、体育施設の使用料徴収 県民貸し出し、10月から

【県立学校で体育施設の使用料を徴収する条例について説明を受ける県議会教育警察常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は11日、総務地域連携、防災県土整備企業、教育警察の各常任委員会と予算決算常任委員会の各分科会を開いた。県教委は無償で県民に貸していた県立学校の体育施設について、来年10月から使用料を徴収する方針を示した。貸与によって備品や器具の摩耗が進むことを理由に「利用者にも一定程度負担してもらう必要がある」と判断した。使用料は老朽化した備品や用具の更新に充てる。13日から来年1月11日まで意見公募(パブリックコメント)を実施した上で、来年の2月定例月会議に条例案を提出する。
◆備品や用具購入費に
〈教育警察=木津直樹委員長(8人)〉

県立学校の体育施設で来年10月から使用料を徴収する県教委の方針に対し、委員からは「学校側が多くの人に利用していただいて金儲けをしようという発想になり、生徒が体育施設から追い出されたら意味がない」などと懸念する声が上がった。県教委は「学校教育に支障のない範囲で実施する」と理解を求めた。

【体育館使用料】
県教委は「県立学校体育施設使用料条例(仮称)」を来年10月に施行し、県立学校にある体育館やトレーニング場などの体育施設を1時間当たり100―300円で県民に貸し出すと説明。年間約1200万円の収益を見込み、集まった使用料は老朽化した用具の更新や施設整備に充てる。

舟橋裕幸委員(新政みえ、6期、津市選出)は「生徒のスポーツ活動に支障のない範囲に限定してほしい」と要望。県教委は「学校教育に支障のない範囲で、あくまでも使わないときに一般の利用者に開放して使ってもらう」と強調した。

杉本熊野委員(同、3期、同市)は「使用料の徴収は3年後の三重とこわか国体の開催に向けた予算確保ではないのか。国体と関係ないのであればなぜ今導入するのか」と尋ねた。

県教委は「国体の予算確保は想定していない」と否定した上で「学校の体育施設を良好な環境で使ってもらいたいので、一定程度利用者に負担をいただきながら体育用具を充実させていく」と説明した。
◆全庁で確認体制整備 県有施設未点検受け
〈防災県土整備企業=小島智子委員長(8人)〉

県本庁舎や県警本部など約2割の県有施設で法定点検を実施していなかった問題で、県は再発防止に向けて各部局の点検が適切に実施されているかを全庁的にチェックする体制を整えると説明した。

【法定点検】
県は問題が発覚するまで、施設の法定点検は各部局の主体性に任せていたが、全庁的なチェック体制が必要と判断。総務部管財課が法定点検の実施状況を確認し、施設の新築時に注意喚起する。防災対策部危機管理課は各部局との意見交換で点検状況を確認する。

また、県は法定点検が未実施だった棟数を214棟から213棟に訂正した。点検時期が来ていなかった施設があったため。未実施の施設のうち、平成17年の法改正以来、特定建築物162棟と特定建築設備のある施設156棟で一度も法定点検を実施していなかったと報告した。

【防災意識調査】
県民の防災意識をアンケート調査で本年度の結果を公表した。5千人を対象に実施し、2626人から回答を得たと説明。防災意識を持っている人の割合が前年度より約16ポイント増の70・8%となった。

「危機意識が薄れつつあったが、近年頻発する地震により、再び高まった」と回答した人が前年度比15・8ポイント増の44・3%で大きく伸びた。大阪北部地震や北海道胆振東部地震の影響で危機意識や防災意識が再燃したとみている。
◆「国体V」目標維持
〈総務地域連携=服部富男委員長(8人)〉

県は来年度からの4年間を対象期間とする「第2次県スポーツ推進計画(仮称)」の中間案を示した。前身の計画と同じく、3年後に開かれる三重とこわか国体での総合優勝を目標に掲げた。

【スポーツ推進計画】
三谷哲央委員(新政みえ、6期、桑名市・桑名郡選出)は「総合優勝にこだわる必要があるのか」と指摘。県外から確保した指導者や選手らを「さすらいの助っ人」と表現し、県外流出を防ぐために県内定着率の目標を設けるよう求めた。

村木輝行国体全国障害者スポーツ大会局長は「競技力の向上は総合優勝につながる」とし、総合優勝を目標に掲げる必要があると説明。県内定着率は「現時点で目標を置いていないが、国体後も県内企業で働いてもらう取り組みもしている」とし、理解を求めた。

【指定管理者】
三重交通Gスポーツの杜鈴鹿(鈴鹿市御園町)と三重交通Gスポーツの杜伊勢(伊勢市宇治館町)の指定管理者に、県体育協会が代表団体を務める「県体育協会グループ」を選ぶ議案を、全会一致で「可決すべき」とした。

指定管理の期間は来年度から5年間。県は7月20日から9月10日まで募集したが、同グループ以外に応募はなかった。外部有識者らでつくる選定委員会の意見や評価点などを踏まえて県が選定。同グループは平成18年度から両施設を管理している。