南伊勢町 道行竈のコメで酒作りを 住民と皇學館大が連携 三重

【日本酒造りについて意見を交わす参加者ら=南伊勢町道行竈で】

【度会郡】三重県南伊勢町の道行竈(みちゆくがま)の地域活性化を目的に、住民と皇學館大学(伊勢市)が連携して取り組む「南伊勢地域連携日本酒プロジェクト」が12月からスタートした。町と同大が締結した包括連携協定の取り組みの一環。約350平方メートルの耕作放棄地を活用し、来年4月から酒米「神の穂」を栽培。県内4つの酒蔵の中から醸造委託先を決め、約千本を製造する予定。

町内には平家の落人伝説が残る竈方集落が7つあり、道行竈区もその1つ。水が豊富で米作りに適しており、昔から農業が盛んだったが、現在は後継者不足のため耕作放棄地が増えているという。前区長・故島田泉さんの「道行の米作りを復活させたい」という思いに賛同した島田安明区長ら有志が、町や同大と協働で日本酒造りをきっかけとした地域の再生を目指す。

8日には住民や同大関係者に加え、東大と慶応大の学生らが水源地の滝や酒米の栽培場所を視察した。

9日は道行竈区生活改善センターで意見交換会があり、住民や学生ら18人が参加。町行政経営課の山本誠樹係長がプロジェクトの概要を説明した。参加者らは、「町で捕れる魚に合う日本酒を造りたい」「日本酒造りにストーリー性を持たせたい」などと意見を述べたほか、農業に興味のある移住者の受け入れや酒造りに向けた組織の立ち上げについても話し合った。

同大教育開発センターの千田良仁准教授は、明和町でも産学官連携の日本酒造りに取り組んでいて、「道行竈に関わってくれる人をどう増やしていくかが大事」とアドバイス。学生らも田植えなどの作業に関わりながら、地域資源の発掘と利活用のアイデア考案、マーケティング戦略の策定など多方面で協力する。

島田区長は「酒米の栽培は初めてなので楽しみと不安が半分半分。道行の活性化につながれば」と話していた。