三重県議会 「データ放送」本年度末終了 県広報、HPなどで補完

三重県議会は10日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委と予算決算常任委の各分科会を開いた。県は利用率の低迷を受けて「データ放送」を本年度末で終了させることに伴い、「今後の広報展開について」と題した資料を公表。データ放送で発信していた情報は、県のホームページやフリーペーパー、ソーシャルメディア(SNS)などで補完する考えを示した。委員からは「県民に情報を届けることへの熱意が感じられない」とする指摘や、広報紙を全戸配布しないことへの批判が上がった。
◆「無料紙」掲載を全域に
〈戦略企画雇用経済=芳野正英委員長(8人)〉

県は本年度末でデータ放送を終了させる代わりに県のホームページにイベントなどの情報を紹介するページを新設するほか、一部地域で導入しているフリーペーパーへの掲載を県内全域に拡大する。

【広報展開】
三重テレビ(津市)に委託していた情報番組を年度末で廃止し、来年度は新番組を放送する。企画提案コンペで放送する事業者を選ぶ方針。戦略企画部は来年度当初予算に番組の制作や放送の費用として4千万円を要求している。

岡野恵美委員(共産党、一期、津市)は「広く公平に情報を提供するためには全戸配布の検討をすべき」と主張。県当局は「高等教育機関やイベント会場などで広報紙の配布にも努める」と説明したが、岡野委員は「答えになっていない」と切り捨てた。

中村進一委員(新政みえ、6期、伊勢市)も「イベントで広報紙を配っているだけでは弱い」と指摘。「市町は、なんとかして広報紙を届けようという思いがあるが、県では県民に届けようという熱意がいまいち感じられない」と苦言を呈した。

また、稲森稔尚委員(草の根運動いが、1期、伊賀市選出)は「そもそもデータ放送の総括がない」と指摘。「データ放送には当初から誰も期待していなかった。こちらから情報を取りに行かなければならない施策は失敗するとの声も上がっていた」と述べた。
◆受動喫煙防止条例の請願「不採択すべき」 委員長判断
〈医療保健子ども福祉病院=野口正委員長(7人)〉

県に独自の受動喫煙防止条例を早期に制定するよう求める請願を採択することについて、3、反対3人で可否同数となったため、野口委員長の判断で「不採択すべき」とした。

【受動喫煙防止条例】
請願は、7月に成立した改正健康増進法は抜け穴が多いと指摘。屋内の職場や公共の場を全面禁煙とするよう求めるWHO(世界保健機関)のガイドラインに基づき、受動喫煙防止条例を早期に制定するよう要望した。

新政みえ2人と共産党1人の計3人が「採択すべき」と主張。自民党県議団と能動、鷹山の各1人、計3人は採択に反対した。賛否が同数となったことから、委員長の判断に委ねられ、野口委員長が「不採択すべき」と判断した。

【窓口無料化】
子どもの医療費を医療機関の窓口で一時的に支払う必要がない「現物給付方式」(窓口無料化)を来年度中に県内の全29市町が移行完了するため、居住地域以外の市町でも県内では窓口無料のサービスが提供できるよう来年9月をめどに準備を進める方針を明らかにした。

県によると、今年9月までに15市町が窓口無料化に踏み切った。松阪市が来年4月に、桑名市や尾鷲市など12市町が同年9月に、菰野町が来年度中の窓口無料化を予定していることから事務手続きの統一化を図る。
◆犯罪被害者支援事例 県が中間案示す
〈環境生活農林水産=藤田宜三委員長(8人)〉

県は「県犯罪被害者等支援条例(仮称)」の中間案を示した。パブリックコメントや市町からの意見を踏まえた上で、来年の県議会2月定例月会議に条例案を提出し、同年4月の施行を目指す。

【犯罪被害者支援】
県の示した中間案では、条例を24条で構成。県は犯罪の被害者やその家族を支援するため、市町や民間団体と連携を図る役割を担い、必要な財政措置を講ずるとしている。

被害者の二次被害を防止するため、国の定める犯罪被害者週間(11月25日―12月1日)を犯罪被害を考える週間に設定し、啓発に取り組むことも書き込んだ。

被害直後に活用できる資金として導入する予定の見舞金制度の支給対象は、犯罪被害者等給付金法に沿って検討すると説明した。

【廃棄物処理事業】
県は四日市、桑名両市で過去に産業廃棄物が不適切に処理された4カ所の廃棄物処理事業について、4年後までに対策を完了させると説明。来年度は本年度と比べて約8億円減の9億9千万円を要求する考えを示した。

今井智広委員(公明党、3期、津市選出)は「来年度予算では本年度より8億円を減額しているが、対策が完了する4年後まで、今後は予算が年々減っていくのか」と質問。県当局は「進捗状況を見ながら次年度に必要な予算を要求している」と述べるにとどめた。