三重県議会・一般質問 道の白線補修、完了せず 年度内、県予算不十分

三重県議会11月定例月会議は3日、藤田宜三(新政みえ、3期、鈴鹿市選出)、石田成生(自民党県議団、2期、四日市市)、村林聡(自民党、3期、度会郡)、藤根正典(新政みえ、2期、熊野市・南牟婁郡)の4議員が一般質問した。県は白線が剥がれた道路のうち、7月に最も補修の優先度が高いと判断した約1400メートル分について、年度内に全ては補修できないとの見通しを示した。事故につながる危険性を踏まえて例年の1・5倍に当たるペースで引き直しているが、県は「現状の予算では十分に対応できない」としている。

◆ビジョン記載、平易に ― 藤田 宜三議員(新政みえ)

県が11月に策定した「みえ産業振興ビジョン」に記載されている「KUMINAOSHI」の意味が「分かりづらい」と指摘。県は具体例として、AI(人工知能)やビッグデータなどの活用を挙げた。

【産業振興ビジョン】
藤田議員 みえ産業振興ビジョンには、知識や技術を組み合わせたり、つなぎ直したりする「KUMINAOSHI」を進めるとある。あえてアルファベットで表記したのだと思うが、分かりづらい。具体的な事例を説明してほしい。

村上雇用経済部長 老舗の食堂がAIやビッグデータ、トマト栽培がICT(情報通信技術)を活用しているほか、IT企業と水産事業者が協力してオンライン販売をしたり、豆腐メーカーが高い付加価値のある豆乳を開発したりした例もある。

【外国人】
藤田議員 政府が進める外国人労働者の受け入れが広がると、日本で結婚し、生まれる子を学校に通わせることも増える。現在も外国につながる子の教育に関する課題で地方公共団体は苦労している。どう取り組むのか。

廣田教育長 外国人の子どもたちが多く住む市と情報を共有している。9月には環境生活部と連携して鈴鹿市など7市と情報交換の機会を設けた。県内外の先進事例を共有するなどし、外国人の子どもたちに対する就学前の取り組みを充実させる。

◆誤り気付く人の評価を ― 石田 成生議員(自民党県議団)

県などで障害者雇用率の算定誤りが発覚したことや、公共施設で建築基準法の基準に適合していないブロック塀が見つかったことを受け、組織の誤りに気付く人を評価する人事制度を導入するよう提案。県当局は「誤りに気付いて行動できる職員を育成する方策を検討したい」と述べた。

【人事評価制度】
石田議員 コンプライアンスの徹底に取り組んできたにも関わらず、不適切な事案が発生している。仕事の中に疑問を感じて口に出し、組織で解決することを評価する人事制度が必要。

嶋田総務部長 県職員の人事評価制度ではミスが生じないようチェックに努め、前例や慣行にとらわれることなく公正に職務を遂行することなどを望ましい行動例として示している。誤りに気付き自ら正すための行動が実践できる職員を育成するため、より効果的な方策を検討したい。

【県営住宅】
石田議員 県営住宅の入居には連帯保証人が必要だが、連帯保証人の負担が大きい。5年程度で連帯保証人を更新してはどうか。

渡辺県土整備部長 連帯保証人を更新する制度では、新たな連帯保証人が見つからない場合、契約を継続できなくなるおそれがある。入居者にとってリスクが大きいと同時に、県営住宅のセーフティネットとしての役割を果たすことができなくなる。連帯保証人を定期的に更新する制度の導入は難しいと考える。

◆アライグマ被害対策を ― 村林 聡議員(自民党)

村林議員は県内で相次ぐアライグマの被害について質問。県はアライグマの被害を受けた集落の数が24年からの5年間で2・7倍に増えたことを明らかにし、アライグマに特化した捕獲の時期や方法の研究を進めていると説明した。

【アライグマ】
村林議員 アライグマによる被害を受けたという話を聞く。サルやシカなどの獣害に比べて、人口密集地で発生している割合が多い。決定的な違いはアライグマは外来生物だということ。徹底した獣害対策が必要だと思う。

岡村農林水産部長 アライグマによる被害が発生した集落の数は平成24年に比べて29年は約2・7倍に。市町には被害防止計画の策定を促し、交付金を活用した対策を進める。農業研究所では効率的に捕獲できる技術の開発などを進めている。

【白線】
村林議員 「道路の区画線が消えていて危ない」との声が寄せられている。ある町長からは「本来は要望などしなくても、管理者が責任を持って引き直すものだ」とも聞いた。事故が起きた場合は管理者責任が問われるのではないか。

渡辺県土整備部長 県管理道路の区画線は約1万キロあり、要望に十分応えられていない。7月に選定の基準を作成して優先度の高い順に引き直しているが、優先度の最も高い場所でも1400キロあるため、本年度中に全てを引き直せない。計画的に実施したい。

◆ミカン輸出の状況は ― 藤根 正典議員(新政みえ)

タイ向けの県産ミカンの輸出拡大に向けた県の取り組み状況を尋ねた。県は本年度にタイへ輸出する県産ミカンは過去最大の約50トンとなる見通しを明らかにした。

【県産ミカン】
藤根議員 平成22年度に輸出を開始して以来、県産ミカンのタイへの輸出が増加したが、病害虫が発生した影響で一時、輸出量が落ち込んだ。今後どのような対応を進めるのか。

岡村農林水産部長 タイへの輸出拡大については国に検疫条件の緩和を要請し、先月の知事のタイ訪問では、政府関係者に合同検査の廃止や輸出開始時期の前倒しを直接求めた。本年度のタイへのミカン輸出は関係者の取り組みにより、これまでで最大の約50トンを見込んでいる。

【熊野古道】
藤根議員 熊野古道が世界遺産に登録されてから来年で15周年を迎える。熊野古道の来訪者数は5周年や10周年の節目の年に来訪者数が増えている。15周年に合わせて東紀州をどう盛り上げるのか。

知事 熊野古道は地元の尽力で整備され、世界遺産登録に至った。改めて熊野古道の価値を認識していただく機会となり、誇りや愛着を深めてもらう機会になればと願っている。東京五輪や大阪万博などインバウンドのチャンスを生かすことができるよう、広域連携に取り組みながら東紀州地域の観光産業を活性化させ、地元を盛り上げたい。

<記者席>「花がない」に緊張感
○…藤田議員は議長席に添えられるはずの花がないと指摘し、理由を「手違いで遅れるそうだ」と明かした。議場に少し緊張感が漂い、花の手配を担当する議会事務局はうつむき加減に。

○…一方、今週末に津市内で開かれる「みえ花フェスタ」を「花の代わり」として紹介し、来場を呼び掛けた。近頃は「手違い」が目立つ事務局を批判するつもりはなかったようで、職員らは一安心。

○…石田議員は障害者雇用率の算定誤りに陳謝し続ける廣田教育長と難波県警本部長に対し、「本当に頭を下げなければならないのは過去のどなたか」と両者をおもんぱかった。

○…ところが、「長年にわたる組織上の問題」として処分を見送った厚労省の判断には、「団体だったら処分しにくいイメージがあるが、そうではない」とぴしゃり。頭を下げることで幕引きを図ろうとする県教委や県警本部へのけん制か。