2018年12月2日(日)

▼シャープ亀山工場の日系外国人作業員の雇い止めについて、県は三重労働局からの情報で3月に把握し、丁寧な説明と新たな就職の支援を要請していたと、鈴木英敬知事がぶら下がり会見で―。何の効き目もなかったらしい

▼「働く人の権利を守るよう、事業者も努力してもらいたい。今後を注視したい」。500人削減計画を聞き取った3月から注視し、250人増加を伝えられた7月から改めて注視してきて、1000人に達していると報じられた今、さらに注視していくということか

▼シャープは単なる民間企業ではない。誘致に際し、県は約90億円、亀山市が同45億円の補助金交付を決め、現在も支払い続けている。運営に県も責任はある

▼実際、亀山工場の雇用創出効果について県は毎年調査している。県ホームページで見る最新の平成28年5月時点の雇用者は8700人で、うち正社員が5400人、派遣・業務請け負いなどが3300人。日本人か外国人かの調べはない。三重労働局からの情報で知ったことも含め、まことに頼りない

▼外国人労働者の受け入れ拡大と関連し、知事は「どんな制度でも外国人の雇用の安定や共生できる社会づくりが大事」。言うは易く行うは難しである。シャープは受注減での雇用調整と県に説明したという。しわ寄せが立場の弱い外国人に強く現れたか

▼改正労働者派遣法施行で非常勤社員の3年打ち切りが進み、県も非常勤職員の「3年ルール」へかじを切りつつあると言われる。労働環境整備は外国人のためだけではないが、県がどこまで本気かはまだ見えてこない。