老舗スーパー破産の真相 山梨「やまと」元社長が講演 三重

【講演する小林氏=津市大門の津都ホテルで】

【津】伊勢新聞社政経懇話会11月例会が29日、三重県津市大門の都ホテルであった。105年続く地域のスーパーとして愛されながら昨年末倒産した「やまと」(山梨県韮崎市)の小林久元社長(56)が「こうして店は潰れた~地域土着スーパー『やまと』の教訓」と題して講演し、「困った人がいたら助ける生き方をしてきた。したことは振り子のように返ってくる」と体験を話した。

小林氏は先代の多店舗展開で危機的だった経営を回復した当時を振り返り、「地域に愛されているから救われたと感じ、今後は恩返しのために生きようと考えた」と語った。

家庭の生ごみの買い取りやへき地への移動販売車などのほか、大型店の進出で閉店した商店街にあえて出店したとして、「弱いものがやられるのが許せなかった。商店街の余命を伸ばすことも地域の商店の務め」と話した。

昨年12月、大手の問屋からの出荷停止で全店閉店に追い込まれ、「取引先からの罵声を覚悟したが、逆に『よう頑張った』とねぎらわれた」と明かし、「破産手続きにかかる1千万円は友人知人からのカンパが2週間で集まった。いざという時、人は本性が出る。人の気持ちはありがたい」と感謝した。

「現在は求職中」と会場を沸かせ、「自己破産は普通の感覚では耐えられないが新しい人生をもらったと思う。今後も頑張りたい」と語った。