2018年11月28日(水)

▼津市の前葉泰幸市長が3選出馬表明したのが、26日開会した市議会の本会議終了後で、散会が告げられてからという。鈴木英敬知事も、議会開会日冒頭の3選への態度表明を見送り、閉会日が有力視されている。変則の表明方法がはやりなのかもしれない

▼春先だったか、企業と報道機関との懇親会の時、廊下で企業関係者とたまたま会ったからという理由で、前葉市長が一緒に会場に現れたことがある。上機嫌だったのはアルコールをきこしめていたせいか。どっと沸いたが、マイクをにぎってあいさつを始めたので、みんな顔を見合わせた

▼前任者の時は市幹部との懇親会が持たれたこともあったが、前葉市長になって途絶えた。「こんな趣向?」と企業側に聞いたが、戸惑い気味に首を横に振るばかり。「選挙に出るということだな」とささやき合った。単に酒の勢いだけではないものを感じたのは事実だ

▼前葉市長の出馬意欲は市広報紙に連載されている「市長コラム」でもにじみ出ている。こども園建設に並々ならぬリーダーシップを発揮したことや合併特例債の期限延長を働きかけて法改正に結実させたなど、実績を隠すことはない。市内をくまなく回り、意見吸収にも余念がない

▼前葉市長が、旧自治省入省後、宮城県に出向し、知事選に出馬して一敗地にまみれたのは周知の通り。前葉市長の熱意は市長を超えて、その先を見ているのではないかという口さがないうわさも出てくるのも当然。3選出馬表明は、そんなうわさも雲散霧消させたに違いない

▼鈴木知事はそんなうわさなど気にはしていまいが。