名古屋市長「ナガシマにカジノを」 三重県に協力打診 知事「取り組む考えない」

【ぶら下がり会見で、河村市長の発言について「驚きを持って受け止めている」と述べる鈴木知事=県庁で】

名古屋市の河村たかし市長は26日の定例記者会見で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の候補地となる場所の選定に入る考えを示し、桑名市のナガシマリゾート近辺を選択肢の一つに検討していることを明らかにした。三重県内ではカジノの誘致に向けた動きはなく、関係者は河村たかし名古屋市長の突然の発言に驚きの様子。制度上は他市の施設を誘致先にはできないため、実現の可能性は低いとみられる。鈴木英敬知事は「県として積極的に取り組む考えはない」としつつ、名古屋市との情報共有は進める考えを示した。

IRの誘致は、自治体が民間と共同で整備計画を政府に申請する仕組み。政府は最大3カ所を選ぶ見通しだが、自治体の外にある施設は申請できない。現段階で三重県や桑名市、ナガシマリゾートに誘致の意向はなく、県内でIR誘致の実現性は低い。

県は9月下旬、国の問い合わせに「申請の予定はない」と回答していた。雇用経済部の担当者は河村市長の発言を受けて「名古屋市からは何の連絡もなかった」と驚きの表情。「制度上は名古屋市だけでは申請できないが、どうするのか」と首をかしげた。

桑名市の職員は「名古屋市からIRのことで軽く聞かれたことはあったが、会見で公表されるとは。この件を担当する部署さえ決まっていない」と説明。ナガシマリゾートを運営する長島観光開発の担当者も「うちではIRの議論さえしていない」としている。

鈴木知事は26日のぶら下がり会見で「驚きを持って受け止めている」としつつ、10月に河村市長から「IR関連事業者からナガシマリゾートを評価する声がある。どこかのタイミングで公開されるかも知れない」と電話で連絡を受けていたと明らかにした。

一方、鈴木知事はIRの誘致について「桑名市や長島観光開発の思いが最も大事。県が主導することはない。経済的にメリットはあっても心配や不安を持つ方もいる」と指摘。名古屋市の考えを詳細に聞き取るよう担当者に指示したことを明らかにした。