<まる見えリポート>女子サッカー伊賀くノ一 来年1部復帰、スタイル継続

【皇后杯2回戦 帝京平成大戦で熱戦を繰り広げたくノ一の選手ら=25日、富山県総合運動公園で(伊賀FCくノ一提供)】

三重県伊賀市が拠点の女子サッカーチーム「伊賀フットボールくノ一」が来年、国内女子サッカー最高峰リーグ、なでしこリーグ1部に戻ってくる。1989年に6チームで発足した日本女子サッカーリーグの創設メンバーで過去、日本リーグで2度、皇后杯全日本女子選手権で3度の優勝経験のある名門チーム。今年なでしこリーグ2部を戦い、攻守で安定した強さを発揮して優勝。男子元日本代表の大嶽直人監督の下、高い位置でボールを奪い、素早い攻撃につなげるプレッシングサッカーが浸透し、1年で1部復帰を果たした。

2017年シーズン、1部で最下位の10位と苦戦して2部に降格した伊賀。最短での1部復帰を目指したフロントが次期監督として白羽の矢を立てたのが大嶽氏だった。伊賀が2部から1部に昇格した2010年から3シーズンに渡って監督を務め、チームを立て直した実績もあった。

昨年暮れの監督就任会見で、チームの現状について「技術の高い選手はそろっているが点を取れなければ試合に勝てない」と話した大嶽氏。「足元の技術はあるのでどれだけ相手の陣地内でサッカーをするかが大事。ゴール前の強度を上げたい」とも語り、1年を通して選手らにハードワークを求めてきた。

MFの杉田亜未主将は「試合でも練習でも、とにかく相手より走ることを求められた」とこの1年を振り返る。普段の練習でも、ダッシュからのシュートなど「スプリント力をつけるメニューが増えた」という。

選手の特性を見極めた選手起用も効果的だった。前への推進力が持ち味の竹島加奈子選手は前年までのDFからFWに守備位置を変更。今シーズン、5ゴールをマークして、8ゴールを挙げてチームトップに輝いた杉田主将らとともに得点源の1人として活躍した。

リーグ戦は全18試合で、伊賀の通算成績は14勝2敗2分け。シュート本数は1試合平均して12本を越えた。開幕戦の静岡産業大磐田ボニータ戦は0―1で敗れ、まさかの黒星発進となったが「あの試合で負けたことが大きかった」と杉田主将。「みんな上を目指して必死で戦っている。簡単な試合なんて1つもない」。チーム全体で意識を高め、勝ち星を積み上げてきた。

7月にはなでしこリーグカップ(2部)で優勝。10月の福井国体も制して3冠を達成した。昨年、主力メンバーの派遣を見送った国民体育大会にフルメンバーで挑むことを選択した大嶽監督。「勝つことで選手に自信をつけさせたかった」と話す。

1部に復帰する来年は今年以上の厳しい戦いが予想されるが、杉田主将は「決定力は上げられなかったが、前への推進力はついた」とこの1年の変化に手応えをつかむ。「どこまで通用するか分からないが、今までやって来たスタイル変わらずできることが一番。とにかくがむしゃらにやりたい」と話している。